携帯,PDA向け有機ELに向けて──東北パイオニアなどが合弁会社

東北パイオニア,半導体エネルギー研究所,シャープの3社は,携帯電話やPDA用のアクティブマトリクス型有機ELディスプレイの実現に向けて,CGシリコンを用いたTFT液晶基板の製造・販売会社を設立する。

【国内記事】 2001年2月22日更新

 東北パイオニア,半導体エネルギー研究所,シャープの3社は2月22日,アクティブマトリクス型有機ELディスプレイ用TFT基板の製造・販売を行う合弁会社「エルディス」を設立すると発表した。

 有機ELは,自発光,高画質,薄型軽量,速い応答速度,低電圧・低消費電力などの特徴を持ち,携帯電話やPDA向けの次世代ディスプレイとして期待されている。パッシブ型の有機ELディスプレイは,東北パイオニアが既に販売している(10月26日の記事参照)が,「より高精彩にするにはTFT基板が必要」(半導体エネルギー研究所の山崎舜平代表取締役)。

 エルディスでは,シャープと半導体エネルギー研究所が共同研究していたCGシリコンを使った有機EL用のTFT基板を製造していく。2インチパネル換算で月産50万枚の予定だ。東北パイオニアでは,エルディスのTFT基板に有機ELを蒸着し,ELディスプレイを生産する。

 パッシブ型とアクティブ型の大きな違いは画素数だと東北パイオニアは言う。「パッシブ型ではQVGAサイズ(2インチ)が限界だが,アクティブ型ではXGAも将来的に可能」(東北パイオニア)。また,アクティブ型のほうが消費電力も下がる。

 製造する基板は携帯電話やPDA向けとなり,製造は2〜3インチが中心。携帯電話向けの有機ELの普及は,「2005年の時点で,モバイル向けの中小型ディスプレイは,有機ELの割合が10%程度になるのではないか」とシャープは予測している。

 東北パイオニアは,「本命はPDA。3インチ程度が主力になる」としている。また,携帯電話やPDAだけでなく,デジカメなどへの採用も考えられるという。

CGシリコンTFT基板を使った,アクティブ型有機ELのサンプル。2.1インチで176×192ピクセル。4096色表示だが,フルカラーも可能だという

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[斎藤健二,ITmedia]

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