ビジネス市場に本腰を入れるドコモ──SAPと提携

ドコモがモバイル分野のビジネスソリューションに関してSAPと覚書を締結した。現時点では具体策は何もないが,ドコモがビジネス市場へ注力しているのは確かだ。

【国内記事】 2001年4月12日更新

 NTTドコモと独SAP AG,SAPジャパンは,モバイル技術を活用した法人向けのソリューション開発と,そのグローバルビジネス展開について覚書を締結した。

 覚書の目的は,ドコモが持つモバイルのノウハウと技術,SAPの法人向けソリューションをベースに,モバイル分野の新しいビジネスソリューションを開発,プロモートすること。

 NTTドコモは「半年ないし1年の間に何らかの具体的な成果を出すことを目標としている」と言う。開発の主体はSAPであり,ドコモは技術の提供を行う。ただし,現状は“協業の話がまとまったところ”という段階で,具体的なことは決まっていない。

 「(法人向けのモバイルソリューションには)Javaを使うかどうか,1年後に商用化できるかどうか,SAPと合弁会社を作るかどうか,いずれも明確ではない」(NTTドコモのモバイルマルチメディア事業本部長である小野伸治常務取締役)

 「SAPはERP(Enterprise Resource Planning)を中心とした世界的なリーダー」(NTTドコモ)であるが,「SAP以外とのほかのメーカーとも,顧客本位で付き合っていく。SAPとのみエクスルーシブ(閉鎖的に)ということではない」と小野常務は漏らす。

ビジネス市場に向けて

 とはいえ,ビジネス市場へ進出していこうとしているiモードにとって,SAPとの関係が“ビジネスユースへの刺激”になってほしいことは確かだ。

 5月にサービス開始を控えたIMT-2000「FOMA」との関係も気になるが,「FOMAはエリアが限定的なので,それほど一気に普及するという感じではない。端末の数も多くは出ない。iモードやPHSの64Kbpsを使ったものなど,PDAとPHSの組み合わせもかなり期待できるのではないか。FOMAはその次」と,小野常務は語る。

 逆に,503iシリーズから搭載されているJava「iアプリ」のほうがビジネス市場では本領を発揮しそうだ。現在でこそ,プログラムサイズ10Kバイトと制限が大きく,ビジネスアプリケーションには荷が重いとも見られるiアプリだが,「IMT-2000になれば,30Kバイト,さらには100Kバイトと大きくなる」(小野常務)と,将来的にはiアプリがビジネスに果たす役割も増大する。

 今年は欧州に進出すると見られているiモードにとっても,ビジネスソリューションを提供できれば大きな追い風になる。「海外の場合は,ビジネス(ソリューション)の話が強い」と小野常務が語るとおり,欧米では携帯電話はエンターテイメントよりもビジネスでどう役立つかのほうに関心が集まっている。

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[斎藤健二,ITmedia]

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