メモリ内蔵液晶を3社が展示──電子ディスプレイ展液晶の各画素にメモリを内蔵することで,待機時の液晶の消費電力を数ミリワット以下に抑える……。そんな技術を使った液晶が,3社から参考出展された。
東京ビッグサイトで4月18日に開幕した「EDEX2001 電子ディスプレイ展」では,携帯電話に向けたディスプレイが多数展示された。中でも来場者の目を集めていたのが,メモリを内蔵した液晶ディスプレイだ。 各画素にメモリを内蔵し,低消費電力化を図る東芝,三洋電機,三菱電機の3社は,液晶の各画素にメモリを内蔵し,画像メモリとして使用する技術をそれぞれ開発し,参考展示した。 それぞれ通常時と待機時の2つのモードを設け,待機時には内蔵メモリに記憶した画像を表示し,液晶の消費電力を数ミリワット以下のレベルに削減している。 東芝はポリシリコン液晶に1ビットのSRAMを内蔵した。消費電力は,通常モードでは4096色表示で25ミリワット,待機モードでは8色表示で2ミリワット未満を実現している。また液晶基盤にDACや増幅回路などのアナログ回路を内蔵し,システム側からの表示信号を継続供給する必要もない。
三菱電機は,低温ポリシリコン反射型TFT液晶にRGB各4ビットのデジタル入力信号に対応した多ビットDRAMを搭載した。通常時は6万5000色表示で30ミリワットだが,省電力時には4096色表示となり消費電力4ミリワットを達成している。
三洋電機は,低温ポリシリコン反射型TFT液晶を使って,1ビットのメモリ回路を内蔵した。また,静止画像表示用の信号発生回路,電源昇圧回路を内蔵し,システム側からの表示信号なしで画像を表示し続けられる。26万色動画像表示時には9ミリワット,8色静止画像表示時には0.07ミリワットという消費電力を実現しているという。
携帯電話では,液晶が注視されている時間はそれほど長いわけではない。ほとんどの時間は待受け表示に使われている。待受けの間,折りたたみ型携帯電話では液晶表示そのものを消すことができたが,ストレート型の場合は表示を消すわけにはいかない。 “メモリ内蔵型液晶”ならば,待受け時の表示を色数の少ない静止画に限定することで,大幅な消費電力の削減を図れる。 三洋電機の説明員によると「量産の予定はいまのところない」と言うが,待受け時の消費電力を0.07ミリワットまで削減できるのは魅力的だ。現在は各画素に内蔵しているメモリが1ビットであるため,8色表示に留まっているが,「多ビット化する方向で研究中」だという。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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