Bluetoothはまだ青い?高まる期待とは裏腹に,魅力的なBluetooth搭載製品がなかなか出てこない理由の1つは,“みんなバージョン1.1”を待っていることにある。
既にBluetooth搭載デバイスは数機種が発売されている。しかし,Bluetoothが本格的に普及するためにはいくつかの課題が残されている。 千葉・幕張メッセで4月24日から「Bluetooth Expo 2001」が開催されている。41社が出展し,Bluetoothのチップやモジュール,搭載製品が多数展示された。 現在市場に出回っているBluetoothには3つのバージョンが混在している。初期のBluetoothデバイスが対応していたのは,Bluetoothのバージョン1.0bと呼ばれるもの。最近のものは,1.0bを改良した1.0b+CE(クリティカルエラッタ)というバージョンだ。そして現在の最新バージョンは,ピコネットやスキャッタネットの仕様をしっかりと盛り込んだ,1.1と呼ばれるものになる。 問題は,このそれぞれのバージョン間では互換性が完全には取れていないことにある。「当初はソフトウェアのアップグレードで対応できるとも言われていたが,それが難しいことが明らかになってきた」(シャープ説明員) Bluetoothを使った,携帯電話向けヘッドセットを参考出展したジャパン・トータルデザイン・コミュニケーション(JTDC)も,「現在は1.0b+CEでの製品化を考えているが,市場の動向を見て1.1対応製品も出すことになるかもしれない」と,異なるバージョンの製品が存在することに懸念を表す。 3つのバージョンを比較すると,1.0bと1.0b+CEでは大きく仕様が異なり,1.0b+CEと1.1では小規模な違いだというが,モジュールベンダー各社は,1.1に対応したチップセットが出そろうのを待っている状況だ。「1.1しか引き合いがこない」(シャープ説明員)
Bluetooth普及への3つのポイントBluetoothが普及するに当たっては,これまで「市場のニーズがあるかどうか」「価格が抑えられるかどうか」がポイントとして挙げられてきた。そこに「規格が落ち着くのはいつか?」という問題も重なったことになる。 BluetoothのRFモジュールとDSPモジュールを早くから1チップ化したことで知られる英CSRは「5月中には1.1に切り替える」(日本代理店であるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド)と言う。価格は,「来年,次世代のBlueCore-02が登場し,月産100万個に届いた時点で5ドルを切れそうだ」(コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド)という状況だ。 多くの関係者は「あとは携帯電話にBluetoothが搭載されるのを待っている状態」と語る。KDDIは「今年中にはBluetooth搭載端末を出す」としており,ソニーも「Bluetooth内蔵携帯電話を準備中」としている。京セラもH"端末用のBluetoothモデムを発表した(4月23日の記事参照)。 携帯電話への搭載が始まれば,量産効果によってチップの価格も安くなる。とはいえ,まずはバージョン1.1で規格がいったん落ち着くことが必要だ。 期待ばかりが先行した感のあるBluetoothだが,その内実はまだこれから……といったところ。この夏以降の,特にBluetooth内蔵携帯電話の動向に注目したい。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
最新スペック搭載ゲームパソコン
FEED BACK |