FOMA端末はやっぱり高い──iアプリ容量も変更なし5月30日の試験サービス開始とともに登場するのは3機種。データタイプ以外は折りたたみ型だ。価格は現在の1.5倍以上になるもよう。
NTTドコモは4月26日,5月30日の「FOMA」の試験サービスと同時に3種類のFOMA端末を導入すると発表した(FOMAの概要については4月26日の記事参照)。 写真左から,スタンダードタイプの「FOMA N2001」,ビジュアルタイプの「FOMA P2101V」,データタイプの「FOMA P2401」となる。 FOMA端末はJava対応の「503i」シリーズの機能がベースとなる。音声通話,テレビ電話,回線交換を使った64Kbpsデジタル通信,上り64Kbps,下り最大384Kbpsのパケット通信,ショートメッセージ,パケット通信と音声通話を同時に利用できるマルチアクセスなどの機能を持つ。
多岐に渡るiモード機能の強化オプションサービスのiモードも強化された。パケット通信を利用するため,下り最大384Kbpsの速度でアクセスが可能。また,iモードメールは最大で全角5000文字まで送信できるよう改善され,静止画や音楽の添付も可能になった。 iアプリコンテンツも利用可能だが,基本的には503iシリーズと同等の仕様だ。ファイルサイズの制限も変わらず10Kバイトとなっている。「サービス時はiアプリは現在と同じ。現在拡大すべくネゴシエーションしている」(ゲートウェイビジネス部長である榎啓一取締役) テレビ電話機能は,64Kbpsの回線交換を使い実現される。また,既にPHSで運用が開始されている映像配信サービス「M-stage visual」にも対応している(2000年11月の記事参照)。 iモードの映像クリッピングは今後対応予定多くの新機能が搭載されるFOMA端末だが,これまで語られてきた全ての機能が初代機から利用できるわけではない。 これまでFOMAでは,iモードコンテンツの1つとして短い映像が再生できるようになると語られていたが(3月9日の記事参照),初代機では対応していない。この機能は「iモーション」という名称で次世代FOMA端末から搭載される。 また,先日2機種目が発表されたばかりの音楽配信サービス「M-stage music」への対応も今回は見送られた(4月25日の記事参照)。 当初サービスエリアが限定されるFOMAに対して,現行のPDC方式の携帯電話とのデュアル端末を望む声も多い。ドコモは今後の可能性として,デュアル端末ではなくデュアルネットワークという形で,FOMAと現行の携帯電話が同一の番号で使い分けられるサービスも予定している。 また,国際標準規格であるIMT-2000のウリである国際ローミングに関しても,当初の端末は対応していない。「国際ローミングは2002年の春に実現を予定している。その頃には端末の開発も間に合う」(ネットワーク本部長である津田志郎常務取締役) UIMカードは搭載されるがロックもFOMAには「FOMAカード」と呼ばれるUIMカード(用語)が搭載され,カードを別の端末に差し替えることで,利用するシーンに合わせて端末を交換することが可能だ(4月2日の記事参照)。ただし,「試験サービス中は1ユーザーに1端末の配布であり,実質的に交換は不可能。10月に本サービスが始まったら自由に交換ができる」とNTTドコモ営業本部長の野村秀樹常務取締役は言う。 また欧州のGSM端末では,キャリアがカードを,端末メーカーが端末を販売し,好きな端末とキャリアを組み合わせることができるという仕組みも存在している。日本でも,ドコモとJ-フォンが同様のW-CDMA方式を採用するが,FOMAではUIMにロックをかけて,ドコモ以外の端末ではFOMAカードが動作しないようにする。「端末の販売時にキャリアが払う手数料の価格負担が大きな壁になっている。(端末とUIMカードの)個別販売を行うと混乱する」(津田常務) 端末価格は4万円から6万円程度に端末の価格に関しては,「原価で言うと,スタンダードタイプで現在の3ないし5割アップ。ビジュアルタイプはもっと高い。データカードは現在のPHSと同等のレベル」だとNTTドコモの立川敬二社長は言う。 携帯電話の価格は通常の家電製品などとは違い,キャリアが補助を出し,原価割れに近い価格で販売されているのが実情だ。ドコモの補助しだいで店頭の販売価格はいかようにも変化する。 しかし,現在の503iシリーズが2万〜3万円程度で販売されていることを考えると,スタンダードタイプで4万円前後,ビジュアルタイプは6万円近い価格が予想される。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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