放送もモバイルへ注視──米放送機器展

米ラスベガスで開催されたNAB(放送機器展)では,モバイル機器向けのビデオ配信システムも展示されている。

【国内記事】 2001年4月27日更新

モバイル用ビデオ配信システム「Pocketmultimedia」

 4月23〜26日に米国・ラスベガスで開催されたNAB(放送機材展)では,米Pocketmultimediaがモバイル向けの最新ビデオ配信システムを公開していた。

 これは,PDAやノートPCなどにビデオ映像をリアルタイムに配信することができるシステムで,IEEE803.11bで30fps+44KHz,ステレオ,320×240ピクセルという高解像度かつ高品質な映像をリアルタイムにエンコードしながら送ることができる。

 エンコードサーバで利用する「PocketIt Trancecoder」と呼ばれるソフトはPentium III/600MHzが推奨環境で,特別な機器は必要とされない。デモではDVDの映像をその場でエンコードし,CompaqのPocketPC iPaqへ無線LANで配信していた。

映像はややエッジが強いが,高いフレームレートで再生されていた

 無線LANでの配信では700Kbpsのバンド幅,最大で4チャンネルの送信ができる。配信だけのサーバはPentiumの300MHzが推奨されており,かなりロースペックで大丈夫だ。もちろん,エンコードするマシンで同時に配信も可能。

 配信ソフトは「PocketIt Trancecoder」。無線LANでの受信ソフトは「PocketIt Wireless」。IEEE802.11bの標準無線LANとBluetooth,さらに3Gの携帯電話をサポートしている。802.11bでは最大1.5Mbpsまで利用でき,Bluetoothでは700kbps,3Gでは384kbpsまでとなる。先ほど紹介した美しい映像というのが700kbpsだから,Bluetoothまではステレオサウンドのフルモーション映像を楽しめる。Bluetoothで動画を一番初めに楽しめるシステムかもしれない。

 再生側の環境は,現在はiPaqかノートPCとなっている。再生ソフトは「UnPocketIt」。WindowsCEでは「StrongArmでないと処理が間に合わない」という。HPの「Jornada720」では画面のリフレッシュが間に合わないので,こちらも利用できない。開発者によると「SH4が搭載されたWindows CEマシンが出れば,再生が可能になるだろう」とのことだ。

 シャープのザウルスと同じように,メモリカードにデータファイルを置いて再生することもできるが,2時間で最高700Mバイトにもなるので,「MicroDrive」などの特別なストレージが必要となる。

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[渡辺健一,ITmedia]

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