“503i”シリーズ5機種,分解してみました

Javaも動作するドコモの503iシリーズ。その中には何が詰まっているのだろうか? 予想と異なり,内部の基板とチップは各機種で大きく異なるものだった。

【国内記事】 2001年5月1日更新

 Javaが搭載され,カラー液晶が当たり前になり,最近の携帯電話は急速にパソコンに近づいてきている。もともとの携帯電話は“通信機能”がメインだったが,最近では“情報処理機能”と“メモリ機能”を加えて総合的に評価する必要が出てきた。

 現在のところ,“Javaが動く”といっても携帯電話にはパソコンのようにCPUが搭載されているわけではない。ベースバンドチップと呼ばれる通信制御用のチップには,英ARMの32ビットRISCチップ「ARM7TDMI」などのCPUが組み込まれており,その余った演算処理能力を使ってJavaなどのアプリケーションを動かしているのが現状だ。

 そのため,今後増加すると思われるマルチメディア系の処理を行うにはベースバンドチップだけでは少々力不足。Intelはベースバンドチップとは別に,情報処理専用のプロセッサとして「XScale」などが必要になってくるだろうと予測している(4月17日の記事参照)。

cdmaOne端末に搭載されているQualcomm製のベースバンドチップ「MSM3000」。夏に予定されているJava対応au端末では,Qualcomm製のベースバンドチップをCPUとしてJavaが動作する。また「MSM3300」には「gpsOne」機能(用語)も搭載されるなど(4月4日の記事参照),ベースバンドチップは携帯電話の核となるチップだ

メモリは現状8Mバイト程度

 パソコンと同様,携帯電話にもストレージ用のメモリとワーク用のメモリが搭載されている。Javaを動作させる場合などは,ストレージ用のメモリからワーク用のメモリにロードされ,そこで実行されているようだ。

 ストレージ用にはフラッシュメモリが主に利用され,最新機種では8Mバイト(64Mビット)チップが搭載されている。ワーク用のメモリは,SRAMやDRAM,FCRAMなどが利用される。

富士通がSEMI FPD Expoで展示した,携帯電話向けメモリのロードマップ

503iを分解してみると……

 さて,進化を続ける携帯電話の中でも,Javaを搭載することでハードウェア的にも多くのリソースを必要とすると思われる「503i」シリーズ。それらの内部はどうなっているのだろうか。

 発売済みの5機種を分解してみた。

松下通信工業製の「P503i」。基板1枚だけのシンプルなつくりだ。

富士通製の「F503i」。

三菱電機製の「D503i」。他機種に比べて背面のスピーカが大きめなのが分かる。液晶はエプソン製。

ソニー製の「SO503i」は3枚の基板を使っている。液晶はカシオ製。

NEC製の「N503i」は2枚基板。実際はそれぞれのチップはシールドされている。液晶はエプソン製。

各機種の着信音用スピーカ。左からP503i,F503i,N503i,SO503i,D503i。口径は微妙に違うが,着信メロディの音量はスピーカだけで決まってくるわけではなさそうだ。

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[斎藤健二,ITmedia]

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