モバイルアーティスト,ただいま「待ち受け」中

原宿で現在展示中の携帯待ち受け画面コンテスト「mobile art2001」。モバイルアートの画面に,クリエイターたちの未来をみた。

【国内記事】 2001年5月11日更新

 プロックスジャパンは5月11日(金)から16日(水)まで原宿「ROCKET」において,「mobile art 2001」に応募された携帯待ち受け画面の展示を行っている。

会場ではPCによる待ち受け画面の展示も行われた

 これは携帯電話の待ち受け画面をキャンバスに見立て,小さなディスプレイでいかに表現するかを競う,ギャラリー展示型のコンテスト。国内外のクリエイターから広く募集しており,優勝賞金は100万円,各部門賞20万円で,総賞金額は250万円となっている。

 条件は120ピクセル×120ピクセル以内の画像であること。またGIFアニメーション待ち受け画面部門もあるが,その場合は25キロバイト以内に抑えるのが条件だ。一般からも応募が可能で,今回の応募総数はおよそ3500点,応募クリエイター総数は987名となった。

 今回の展示は全応募作品の中から審査によって300〜500点を選抜したもので,審査員及び展示会場を訪れた人により2次審査が行われる。

 2次審査を勝ち抜いた100点ほどの作品は,さらに22日に渋谷「Qフロント」で行われる“グランプリ大会”に出品され,インターネットによって全国から公開投票を募り各賞が決定する。なおグランプリの模様は,ライブ映像としてインターネットによってオンデマンド放送される。

 グランプリ大会への出場が決定した作品については,同社のサイトでダウンロード販売される予定。料金は未定だが200〜300円程度で,EZwebからダウンロード可能だという。なお,この金額の一部はクリエイターにフィードバックされる仕組みとなっている。

応募者は多彩

 今回の応募者は,実に多彩な顔ぶれ。肩書きを見ると,現在クリエイターとして活躍している人もいれば,単なる1専門学校生もいる。なかにはデビッド・ボウイのCDジャケットを製作したデザイナーの作品もある。

これがデビッド・ボウイCDのクリエイターの作品だ

 たまたま会場に居合わせた応募者の1人,伊藤菜々さん(18)にお話をうかがった。彼女はアスキーの企画の中で,次世代カリスマクリエイター候補として名前が挙がっている1人だという。今回彼女の作品も,何点か一次審査を通過し,展示されている。

 彼女は現在,高校生として受験勉強にいそしむかたわら,趣味でGIFアニメーションなどを載せたホームページを製作している。今回のようなコンテストへの出品ははじめてだという。応募は,全部で15点。その中から展示された作品の1つは,写真では分かりにくいかもしれないが,ドットを1つ1つ打ったドット絵で,なかなか仕上げるのに根気がいる作品となっている。

 製作にかかる時間は,作品によっては2、3時間かかることもある。もし大賞が当たったら「服を買って,コスメを買って,…それから,グラフィックのパソコンソフトを買います」とのこと。なかなか勉強熱心だ。

どうなる,携帯待ち受けクリエイター市場

 同社は今回の展示を,クリエイター作品におけるオープン市場創造の1つとして位置付けている。携帯電話という今後ますます拡大するマーケットに,うまくクリエイターを参加させていくのが狙いだ。今後もホームページ上で,「クリエーターズマガジン」というコンテンツでさまざまな企画を考えており,次回のは携帯電話のGIFアニメーションを扱う予定だという。

 最近発売の「C410T」では,待ち受け画面などを「たむらしげる」氏がトータルデザインするなど(4月25日の記事参照),携帯電話の待ち受け画面とクリエイターの結びつきは今後いっそう深まる可能性がある。

 今後新しい携帯電話の付加価値として,待ち受け画面のデザインということが重要視されることがあるかもしれない。その時,クリエイターはその端末の人気を左右する重要な要素となる。

 今回の「mobile art 2001」はそんな状況を先取りしたイベントであり,クリエイターたちと携帯の新しい関係を示唆していると見ることもできるだろう。

 120×120の、小さな画面。明日のクリエイターたちはこの画面に,どんな自分達の未来を描くのだろうか。

[杉浦正武,ITmedia]

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