2001年は“携帯Java”の年だった──携帯電話,回顧と展望2001年は携帯電話にとってどんな年だったのか? ZDNet Mobileの年間アクセスランキングから,今年1年を振り返ってみる。
携帯Java,「503i」大躍進簡単にまとめてしまえば,2001年は携帯Javaの年だった。ZDNet Mobileがスタートした1月15日以前から,NTTドコモのJava端末「503iシリーズ」は大きな注目を集めていた。そして1月18日の発表は21世紀の始まりにふさわしい,携帯電話の新たな時代を実感させるものだった。 年間ランキングを見てみると,503iシリーズに関する記事が,2位,4位,5位,6位,7位,8位,10位と,その多くを占めている。 その注目度にふさわしく,既にiモードの3分の1,1000万台が503iシリーズだ(12月25日の記事参照)。 もっとも,Java搭載という機能向上に伴って,携帯電話のソフトウェアバグが大きな問題にもなった。SO503iの回収はまだ記憶に新しいし,続いて登場したFOMAもソフトウェアの欠陥に悩まされ続けている(11月26日の記事参照)。不具合部分をネットワークを使ってダウンロードできるようにするなど,コストと影響の少ないバグフィックス方法を導入することが,2002年の課題の1つだ。 またJava搭載携帯電話の台数は増えたものの,“一般的に活用している”という声はあまり聞こえてこない。2002年はメールやWebアクセスに並ぶようなJavaの利用法を模索していく年にもなるだろう。J-フォンが2002年1月から,ドコモが2002年春に予定している第2世代のJava仕様に期待が高まる(12月4日の記事参照)。
迷惑メール・ワン切り電話が社会問題に“Javaの年だった”一方で,実は年間トップを獲得したのは“ワン切りの悪質電話”。携帯・PHSの契約者数は7000万を超え,もはや携帯に関して起こることは誰もの関心事になっている。 悪質電話や迷惑メールの騒ぎで象徴的なのは,どちらも合法的な行為だったということ。ドコモが迷惑メール業者に対して送信停止を命令する仮処分を勝ち取ったことは,今後の法整備を占う上でも注目すべき出来事だった(10月30日の記事参照)。 メールの遅延に関しては,「受信メールのブロック」などの措置では根本的な解決にはならない。かといって契約者数の天井が見えている現在では,過度な設備投資も避けたいというのがキャリアの本音だろう。携帯電話がこれだけ社会インフラ化してきたことを考えても,早急な法整備が望まれるところだ。
年間ランキングでランクインした,唯一2002年につながる記事がJ-フォンのパケット対応端末についてのもの。「写メール」で好調のJ-フォンが送り出す新端末は,写真も撮れれば音楽も聴けるマルチメディア端末だ。 年明け早々にも,パケットの詳細についてなどが発表され,端末も投入される見通しになっている。
そのほかの2001年のトピックそのほか,第3世代携帯電話「FOMA」がスタートしたことは,携帯技術の歴史から見れば2001年最大のトピックだろう。エリアの狭さからか,年間ランキングからは漏れたが2002年も目が離せないトピックであることは間違いない。 FOMAは,使ったものに期待と失望をもたらした。クリアな音声通話と高速なデータ通信は,まさに驚き。映像も送受信可能なその速度は,さまざまな応用が期待される。 しかし現在のiモードを“単に高速化しただけ”というだけでは,FOMAの高速性を生かせないのも分かってきた。また“テレビ電話”も,もう一工夫ないことには簡単には根付かなそうだ。 同様のことは,KDDIの次世代サービス・次世代インフラにもいえる。“GPSケータイ”は魅力的な技術を詰め込んだものだが,その特性を十分に活かしたサービスを提供できているかというと,もう一歩の感が強い。 携帯電話端末の出荷台数は,このところずっと減少の一途。携帯電話がかなりの普及率に達したこともあり,2002年は買い換え需要が中心となるだろう。 2001年の買い換えの理由を聞いてみると,
この4つが中心だったようだ。特に「写メール」は,目立って買い換えを喚起する力を持っていた。2002年は何が写メールのように需要をドライブするのだろうか。 *次ページ:2001年週間ランキング集
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