サイトの機種依存動作を“定期検診”するサービス「ケータイサイト・クリニック」──フレックス・ファーム

携帯電話の仕様が多様化するにつれて,すべての端末で正常に動作するかどうかサイト管理者は不安になるもの。フレックス・ファームはこの確認を代行するビジネスを始める。

【国内記事】 2002年1月17日更新

 フレックス・ファームは1月21日より,携帯向けサイトが新機種でも問題なく動作するかテストするサービス「ケータイサイト・クリニック」を開始すると発表した。テストでは毎月発売される新機種を実機で用意し,実際に入力するかたちで確認を行う。

 サイト中の全ページおよびそのページからジャンプできるすべてのページを表示させるほか,入力項目があればすべて入力して確認する。結果はレポート形式で報告するほか,発見された問題を有償で解決することも行うという。

 費用は10数ページからなる標準的なサイトの場合,初期費用23万8000円,月額15万4000円。すでにマルチキャリア対応サイトをオープンしている,大手企業などの需要を見込む。


フレックス・ファームの斎藤徹氏。「実際に全機種の実機をそろえるのはなかなかの手間。まとめて用意できるのもわが社の強み」

 フレックス・ファームの斎藤徹ファウンダーは,携帯向けサイトはPC向けのWebサイトと違って,苦労する点が多いと話す。

 そもそもキャリアによって使用される言語(マークアップランゲージ)やJavaの仕様が異なるし,端末によって画面の大きさ,ブラウザ,使える絵文字,なども異なる。さらに「毎月平均して6機種」(斎藤氏)のペースで新機種も発売されており,これらすべての端末にきちんと対応しているかどうかは,サイト管理者はチェックしきれないという。

 もちろん,携帯端末の動作をPC上で再現するシミュレータも存在する。だが斎藤氏は,この確認方法を一蹴する。

 「シミュレーターは,非常に作り方が雑だ。実機と異なる部分も多いため,どうしても実機でテストすることが必要になってくる」(同)

 フレックスファームではこうした問題に対処するサービスとして,昨年9月から全機種を用意してサイトの動作状況を確認する「実機テスト・サービス」を始めていた。その中で,特に新機種の実機テストの要望が多かった点に着目。今回のサービスにつながったという。

 「実機テスト・サービスは一時的に動作状況を確認するもの。しかしケータイサイト・クリニックでは一定の期間をとって,新機種が出るたびに対応を確認する。いわば定期的に医者の検診にかかるようなものだ」(斎藤氏)。


ケータイサイト・クリニックのサイト。端末ごとの仕様の違いを解説した「ケータイSI 虎の巻」などを閲覧できるほか,ケータイサイト・クリニックを利用する際の簡易見積もりもできる

 近年,WAP2.0などにより,各キャリア間で規格が統一される動きがある。今後,仮にすべての端末の仕様が統一されるようなことがあれば,ケータイサイト・クリニックのようなサービスは必要がなくなる。

 しかし斎藤氏はこのような見方を真っ向から否定する。「そもそも端末ごと規格を独自拡張しないと,メーカーやキャリアの特徴を出せないし発展性がない。WAP2.0にしても,キャリア間の足並みがそろうかどうか,疑問だ」。

 携帯端末の多様化につれて,今後もますますサービスの需要は高まると見る斎藤氏。今年中に顧問企業として80社を獲得することを,目標として挙げた。

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▼ ケータイサイト・クリニックのサイト

[杉浦正武,ITmedia]

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