充電は夜間に──日本IBM,電力ピークシフト対応ThinkPadを発表

日本アイ・ビー・エムは2月5日,電力使用量のピーク時間帯を避け,夜間に充電を行うノートPCを発表した。夜間に充電を行うことでコスト削減を見込める上,環境負荷も減らせるという。

【国内記事】 2002年2月5日更新

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は2月5日,電力使用量のピーク時間帯を避け,夜間に充電を行うノートPCを発表した。同社が電力会社や電池メーカーなどと共同で進めている電力ピークシフト研究プロジェクトの成果。「夜間に充電を行うことでコスト削減を見込める上,環境負荷も減らせる」という。


電力ピークシフト対応「ThinkPad R31」製品写真

 電力ピークシフトに対応したのは,新製品「ThinkPad R31」のモデル「2656-48J」「2656-C5J」。同製品はIBMが開発した制御プログラムを搭載できる。プログラムは電力ピーク時間の終了直後からバッテリーチャージを開始するよう設定でき,主に電気料金が安い夜間に充電を行う。電力ピーク時間になると自動的にAC電源の利用を停止,バッテリー駆動に切り替える。

 同社は2001年3月から電力ピークシフトの研究をスタート。混雑時間帯を避けて通勤するオフピーク通勤のように,PCの使用電力もピーク時間外へシフトさせて電力消費量を分散させるのが狙いだ。

 プロジェクトには関西電力と東京電力,三洋電機ソフトエナジーカンパニー,松下電池工業が協力。(1)オフィスでのピークシフト検証,(2)制御プログラムの実用化,(3)充放電の繰り返しに強い充電池の開発──について実験を行ってきた。

 日本IBMによると,同社本社ビルで使用されているPC1200台をすべてノートPCだと仮定した場合,充電時間を夜間に切り替えることで年間約20万円を節約できる。また東京電力管内での試算では,PC電力のピークシフトにより,二酸化炭素の排出量で4〜16%,窒素酸化物で17〜27%,硫黄酸化物で20〜30%の削減効果があるという。

 三洋と松下の協力でバッテリーを評価したところ,通常の充放電に比べバッテリーへの影響が少なかったという。今後はバッテリーを長持ちさせる充放電の手法を研究し,対応バッテリーの開発を進める。

 日本IBMは「企業でのPCの普及や常時接続の浸透でPCの電力量は増大する一方。電力ピークシフトは地球温暖化防止の観点からも重要」としており,電力ピークシフトへの取り組みをPC業界全体に広げていく考えだ。

 「ThinkPad R31」の「2656-48J/C5J」はモバイルCeleron/1.06GHzを搭載,メモリは128Mバイト,HDDは20Gバイト。14.1型TFT液晶ディスプレイ(1024×768ピクセル)とCD-ROMドライブを搭載する。OSはWindows 2000を採用した。3月8日発売で,IBMダイレクト価格は17万9000円。「2656-C5J」はWindows XP Professionalを採用している。2月15日発売で,IBMダイレクト価格は17万9000円。

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[ITmedia]

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