かわいそうなFOMAに愛の手を期待されすぎたせいか,このところのFOMAは,マスコミやユーザーから,コンテンツプロバイダにまで,冷たい扱いを受けている。でも,FOMAに愛の手を差し伸べてはいかが?
昨日まで「日本期待のxx」と騒いでいたのに,結果が出ないと,手のひらを返したように冷たい扱い。ソルトレーク五輪でもまた,それが繰り返されているのを見ると,ちょっと居たたまれない気持ちになる。 世界に先駆けて,鳴り物入りで登場した日本のFOMAについても同じことが言える。携帯電話の「期待の星」だったFOMAも,すっかり今は「墜ちた英雄」扱い。 “金メダル確実!”と言われていたのに,銅メダルに終わり,「残念でした」と評されてしまう選手のようだ。自分がFOMAだったら,「生まれてこなければよかったかもしれない……」とグレてしまうだろう。
実は高くない通話・パケット料ZDNetもFOMAの欠点については,多くを書いてきた。たしかにエリアは不十分だし,都心でも使えない場所は多い。電池もあっという間になくなる──。いやいや,それはFOMAにあまりに期待が高かったからだ。 少なくとも,世間で言われているほど,端末も料金も高くない。それは不幸な誤解なのだ。 あまり知られていないが,FOMAの端末価格は現在1万5000円程度。折りたたみ型のiモード端末の中で“最安値”といってもいい価格なのだ(2月14日の記事参照)。 通信料金も実は安い。「FOMAのパケット代は高い」というのはまるで常識のようにいわれているが,これは“動画を見る”に限っての話(2001年9月の記事参照)。 普通のiモード端末と同じコンテンツを見るのならば,実はFOMAのパケット料金は,普通のiモードよりも安い。パケット単価にして3分の2,つまり普段パケット代金として2000円払っているユーザーなら,FOMAに変えると1400円くらいになる。 しかも,ヘビーユーザーになればなるほどお得になるパケットパックという割引プランだってある。 通話料だって,そう,実は現行の携帯電話と大差ない。というよりも,日中や休日に関してはFOMAのほうが安い(2001年9月の記事参照)。
例えば,FOMAはよちよち歩きの赤ん坊だと思ってみよう(事実その通りだし)。ネットワークの不安定さも,バッテリーの問題も,逆に可愛くなってくるはずだ。 パケット料の使いすぎを心配する筆者でも,FOMAならばiモードが頻繁に切断されるため,使いすぎをブロックしてくれる。長電話をしようとしても,途中で切れてしまったり,電池が切れたりと,通話料金についてはあまり心配しなくていい(いや,この際皮肉はやめていこう)。 あと何年かすれば,FOMAも立派に成長して,日本の携帯ビジネスを支えてくれる。そのときのために,今少し暖かくFOMAを見守ろうではないか。 かわいそうなFOMAに愛の手を。そして願わくば,もうちょっとだけバッテリーを。
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