携帯のIMに熱い視線──ツーカーメッセンジャーの魅力と課題(1/2)

欧米で業界団体が仕様を発表したのに前後して,日本では商用サービスとしての携帯版IMが3月からスタートする。「プレゼンスサービス」に重点を置く,ツーカーのIMサービスとは。

【国内記事】 2002年2月15日更新

 携帯のインスタントメッセージ(IM)が,急速に注目度を増している。2月13日,ツーカーはIM機能を組み込んだ新端末「TT21」を発表し,IMサービスを開始すると発表した(2月13日の記事参照)。

 デスクトップにはチャット友達を現したアイコンが表示され,ボタンを押せばすぐにチャット開始。リアルタイムでメッセージをやりとりできる。同時に10人まで参加できるとあって,携帯だけで会議をすることも可能だ。


IM機能を除いても,CCDカメラに背面液晶搭載,TFT液晶採用と魅力的な「TT21」。なんと一挙に4色が投入される

 しかし,ツーカーメッセンジャーの真の特徴はチャットとは別のところにある。

 チャット機能自体は,実は既に携帯電話に搭載されている。例えば,J-フォンやツーカーで利用できるスカイメールの機能の1つ,「ホットライン」は特定の相手と仮想回線を使ってメッセージのやりとりをするものだ(J-フォンのサイト参照)。

 また,auの「C406S」以降の機種に搭載されている「おしゃべりモード」は,まさに携帯同士のチャット機能(用語参照)。送信に0.数秒しかかからないといわれるCメールのシステムを使い,リアルタイムに近いメッセージのやりとりを行える。

 IMと,これまでの電子メールや,ショートメッセージは何が違うのだろうか?

プレゼンスサービス(状態確認)がカギ

 “IMとはチャット機能のこと”というのは,厳密には誤っている。

 IMの特徴は,相手の状態を確認できる,いわゆる「プレゼンスサービス」にある。相手が今,忙しいのか会議中なのか暇なのか,はたまた寝ているのか。いきなりメールを送ることさえぶしつけに思われる可能性がある昨今,相手の状態が分かることは大きな安心感につながる。ツーカーメッセンジャーも,「お互いの“今”がわかるから安心!」ということを強く打ち出す。

 ツーカーメッセンジャーでは,メンバーを30人まで登録できるが,そのうち6人までの状態をリアルタイムで知ることができる。

 ツーカーメッセンジャーのユーザーが,あからじめ自分の状態を文章として登録しておくと,相手にはその文章が通知される。相手がどんな状態なのかを知ることで,チャットをするか,メールを送るか,電話をかけるのかを簡単に選択できる。


デスクトップに7つまで相手を表すアイコンを設置できる。吹き出しの中には,相手の状態が表示される
メッセージを送信して(左),相手と接続を待つ(中)。いったんつながれば,チャット状態に(右)。実機でのチャット風景は撮影できなかったことをお詫びしておく


ツーカーメッセンジャーの設定。メッセージの履歴は保存できる

 単なるチャットではなく,先に相手の状態を確認できることで,「その後の行動が,(チャットだけでなく)音声通話やメールサービスにもつながっていく」(ツーカーセルラー東京グループ企画統括部商品企画グループの佐藤友宏氏)のである。

 この状態確認がツーカーメッセンジャーの最大の武器だ。ツーカーでは,「4月を目処に,ツーカーユーザーに向けた(ツーカーメッセンジャーの)EZweb版を提供したい」(佐藤氏)としているが,ここでも注力するのは状態確認だ。

 EZweb版のチャット機能は一般によくあるWebベースのチャットで,自分で更新ボタンを押してメッセージを確認していくタイプだ。しかし状態確認は凝っていて,状態が更新されるとEメールで随時通知してくれるという。

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[斎藤健二,ITmedia]

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