J-フォン,パケット端末用JavaのSDKを配布

J-フォンが,JavaのSDKを配布した。一般の制作者がSDKを利用して作成したJavaアプリケーションは,3月1日から発売される「J-SH51」で,ダウンロードすることができる。同時にエイチアイが配布するコンバータを使えば,3Dアプリケーションも作成可能だ。

【国内記事】 2002年2月18日更新

 J-フォンは2月18日,パケット端末用のJavaのSDK(Software Deveropment Kit)の無料配布を始めた。J-フォンのJava独自の拡張部分のライブラリもセットになったもので,制作者はJavaアプリを開発することができる。

 またエイチアイが18日,無料配布を始めた3Dポリゴン用のコンバータツールを利用すれば,市販の3Dソフトで作成したデータを変換して,Javaアプリで利用できるようになる。

 作成したJavaアプリは,「コンテンツアグリエータ」と呼ばれる審査会社を経て,ダウンロードできるようになる(2001年11月の記事参照)。一般Javaアプリをダウンロードできる端末は,パケット対応端末。第1弾として3月1日に,「J-SH51」が発売される(2月6日の記事参照)。


端末情報の取得も可能なエミュレータ

 SDKの中心となるのは,PC上で携帯向けJavaの動作をエミュレートする,「J-Sky Application Emulator」というエミュレータだ。「J-PHONE Developer Program」サイトからユーザー登録を行うことで無償ダウンロードできる。

 別途,サン・マイクロシステムズのWebページから「JDK1.3」および「J2ME Wireless Toolkit」をダウンロードすることで,開発が可能になる。

 ライブラリは,エミュレータに付属しており,同時にインストールされる。ライブラリは,「J-フォンの公式コンテンツプロバイダが利用しているものとまったく同じもの」(J-フォンサービス開発本部サービス企画室サービス企画第1グループの桑原正光主任)。

 エミュレータはJ-フォンに特化した仕様になっている。例えば,J-フォンのJavaでは電話の着信やメール着信,端末に設定されたスケジュールアラームなどのイベントをアプリケーションに通知できるが,これらもエミュレータでエミュレート可能。さらに,バッテリーの状態や電界強度,位置情報などを利用したアプリケーションも簡単に制作できるよう,エミュレートするようになっている(2001年3月の記事参照)。

 端末によって異なる画面サイズやヒープサイズも設定でき,できる限り実機に近い環境でアプリケーションの動作を確認できるようにした。

 面白いところでは,Javaアプリから端末のバイブレータやバックライトを操作した場合,エミュレータの画面でも端末が揺れたり光ったりする。

エミュレータ動作環境
Java環境Java2 SDK, Standard Edition Ver.1.3.(JDK1.3)以上
OSWindows 98/Me/2000
メモリ64Mバイト以上
CPUCeleron/500MHz以上
空きHDD容量20Mバイト以上
グラフィックス1024×768ピクセル以上・16ビットカラー以上

マルチメディアデータも充実

 J-フォンのJavaといえば,マルチメディア機能が充実しているのも特徴。音楽とアプリケーションの動作をそろえるのが極めて難しいiアプリなどと異なり,Javaアプリでは音と動作を同期させることもできる。

 J-フォンでは,100種類以上のSMAF仕様の音楽データを同サイトで提供する。効果音は,アクション,スポーツ,レースなどにカテゴリーに分かれ,BGMなどのデータも提供される。これらは,「Javaアプリへの利用に限り無償」(桑原氏)。

 また,3Dポリゴン機能に関しては,開発元のエイチアイから,MascotCapsuleR/Tool Kit for J-PHONEにてデータ変換ツールが提供される。「3d studio max4」「AnimationMaster9.0」「LightWave 6.5」「SoftImage 3.9」で作成したデータを,携帯向け3Dポリゴンデータに変換できる。

 これら各ツールを利用して作成したJavaアプリは,いったんコンテンツアグリゲータへの登録を行い,審査を経てダウンロードが可能になる。実際にダウンロードできるのは,J-SH51の発売を待たなくてはならない。従来のJavaアプリ対応端末ではダウンロードできないため,当初からオープン路線を取ってきたiアプリに比べるとプラットフォームの数に大きな差がついてしまった。

 しかし,J-フォンは追い上げに積極的だ。J-フォンによるとJavaアプリの仕様書は既に1万5000ものダウンロードが行われたという。SDKに関しても,「(Javaアプリの)技術解説本には添付する。またJava関連書籍,雑誌にも添付していく」(桑原氏)としている。

 「(オープン化が行われて)そこでただアプリケーションが増えるだけではなく,教育のプログラムなど外側のビジネスがまわっていくといい」(桑原氏)

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関連リンク
▼ J-PHONE Developer Program Javaアプリ開発ツール
▼ エイチアイ マスコットカプセル
▼ J-フォン
▼ エイチアイ

[斎藤健二,ITmedia]

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