AirH"128Kのハンドオーバーを試す──高速移動時のパフォーマンス(1/4)

よほど電波状況が悪くない限り32Kbpsパケットよりも高スループットを確保できるAirH"128Kサービス。しかし複数基地局と通信するという仕様上,大きな不安要素になるのが移動しながらの通信時のハンドオーバーだ。今回は自動車で移動中のパフォーマンスをチェックしてみた。

【国内記事】 2002年3月1日更新

 AirH"はPHSのインフラをほぼそのまま利用したサービスだが,PHSはもともとハンドオーバー(用語)が得意ではない。当初は,通信中の基地局との通信が途切れてから通信可能な基地局を探すという構造であり,ハンドオーバーに数秒を要したくらいだ。現在の音声端末は2つの基地局を捕捉することを可能にし,次に利用できる基地局を探す手間を省いてハンドオーバーの高速化を果たしている。

 またPHSは基地局1つでカバーできるエリアが携帯電話に比較すると狭いため,移動時にはハンドオーバーの頻度がおのずと多くなるという根本的な問題もある。

 AirH"128Kではこのハンドオーバーの問題がより大きくなる。複数の基地局と通信するためハンドオーバーの頻度は増えるからだ。AirH"128Kでハンドオーバーが1基地局ずつ行われるのか,通信可能な基地局をすべて再検索するのかは現状では分かっていないが,ハンドオーバーの影響が大きいことには変わりない。

 仮に1基地局ずつハンドオーバーするとしても,ハンドオーバーに手間が掛かるのは確実だ。ハンドオーバー先の基地局と既に自分自身で通信しているという可能性も高いからだ。

 DDIポケットは既に1基地局で最大2波を利用可能とするネットワークの改修を発表しており(2月27日の記事参照),同時にハンドオーバーの影響も小さくはなるだろう。しかし今回のテスト結果は改修後でも悪い状況の参考にはなるだろう。改修後でも音声通話(従来方式のデータ通信含む)が優先的に電波を利用するため,AirH"128Kが常に1つの基地局で2波を利用できるわけではないからだ。

次ページ:3つのロケーションでテスト

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[坪山博貴,ITmedia]

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