Javaアプリ事始め 第1回：
J-フォン Javaアプリがやってきた！

J-フォンのパケット通信対応51シリーズでは，Java機能が大きく強化された。さらに草の根の開発者でもJavaアプリの作成・公開が可能になっている。本連載では毎週金曜日，Javaアプリの開発について解説していく。

【国内記事】

2002年3月8日更新

J-フォン Javaアプリ仕様・SDK公開！

　2001年11月，J-フォンが提供するJ-Sky向けJavaアプリ・Webコンテンツを制作するための情報を一般公開するWebサイト「J-フォン Developer Program（以下JDP）」の運用が開始されました。

　当初，仕様書のみの公開でしたが，2002年2月，ついに開発用のSDKやツール群も公開され，コンテンツ提供事業者だけでなく，草の根プログラマ（一般の開発者）にもJ-フォンJavaアプリ（以下Javaアプリ）を自由に制作できるようになりました（2月18日の記事参照）。

　また，制作したJavaアプリを公開するためのJavaサーバを提供するコンテンツアグリゲータもサービスを開始し（3月1日の記事参照），自作Javaアプリを一般公開する手段も整ってきました。

　ほかの携帯電話JavaプラットフォームであるNTTドコモの「iアプリ」（2000年12月の記事参照）とKDDIの「ezplus」は既に仕様を公開（2001年7月の記事参照）していただけに，Javaアプリの仕様についても草の根プログラマ達の間では公開が待たれていました。

　今回の公開によってJavaアプリが数多く開発され，携帯電話Javaアプリケーション市場全体がさらに面白くなることは間違いありません。

JDPでは何ができるのか

　JDPでは開発者向けの情報とツールなどの提供を行っています。JDPで手に入るJavaアプリの情報は以下のものがあります。

概要

Javaアプリのプラットフォームの位置付けやJ-フォンJavaの特徴，Javaアプリ公開の仕組みの説明

技術資料

Javaアプリ プログラミングガイド，Javaアプリ開発ガイド，APIリファレンスの提供

開発ツール

準備すべきJava2環境，SDK，3Dデータのコンバートツール，サウンドライブラリへのリンク。SDKをダウンロードするためには簡単なユーザ登録が必要。

J-フォンJavaアプリのおさらい

　J-フォンJavaアプリの特長は，JDPでも一部触れられていますが，基本的な仕様は以下のとおりです。

アプリケーションサイズは最大80Kバイト。レコードストア（ローカルな保存領域）とアプリケーションの情報ファイル（jadファイル）の合計で最大100Kバイトまで。

対応画像形式はPNGとJPEG

対応サウンドはSMAFとSMD

MIDP準拠のJavaプラットフォーム+J-フォン独自プロファイルJSCL（J-フォン Specific Class Libraries）

HTTP通信対応

　草の根プログラマから見て，特に魅力的な機能をまとめると以下のようになります。

待ち受けアプリ

2Dグラフィックス

3Dグラフィックス

任意のURLへのHTTP通信

　待ち受けアプリとは，Javaアプリを今までの待ち受け画像のように待ち受け画面に割り当てられる仕組みです。待ち受けアプリにすることで，携帯電話の画面に常にJavaアプリが動作しているかのように動作します。

　音声通話の着信やメールの着信をJavaアプリから知ることができるので，電話がかかってきたときに音声で「電話だよ」とか，メールを受信したときに「メールだよ」とJavaアプリにしゃべらせることもできます。

　2Dグラフィックスは，複数の画像（オブジェクト）をうまく重ね合わせ処理ができるスプライト機能をサポートしています。特にシューティングゲームのようなプログラムに向いた機能です。

　3Dグラフィックスは3Dデータ（モデルデータ）を表示する機能をサポートしています。HTTP通信は，iアプリとは異なり，ダウンロード先のサーバ以外でもアクセスすることができます。通信速度は，下り最大28.8Kbps，上り最大9600bpsの非対称パケット通信に対応しています。

　注意する点としては，制作したアプリは「J-SH51」（3月4日の記事参照）に代表されるパケット対応端末でのみダウンロードできることです。従来のJava対応機にはダウンロードできません。

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