特捜J-SH51(4):──Web周りの弱点

豊富なJavaアプリ,40和音の着メロ,音楽再生機能,スーパーメール……。ユーザーを飽きさせない機能が搭載された「J-SH51」にも思わぬ弱点が。

【国内記事】 2002年3月8日更新

 「J-SH51」を発売当日に購入し,はや1週間。ひたすら派手な飛び道具が満載の,楽しい携帯電話であることは疑いようもないが,使っているうちに気になる点もいくつか出てきた。

Web閲覧時に,いちいちJavaアプリが終了

 J-SH51では,Javaアプリが従来機よりバージョンアップしている(12月14日の記事参照)。ところが,どう考えてもバージョンダウンしているとしか思えない点もある。

 その最たるものが,ブラウザを起動するたびに,起動中のJavaアプリが強制終了されてしまう点だ。

Javaアプリと同時に利用できない主な機能
Webブラウザ
ステーション
データ一括転送(SDカード)
カード手動転送(SDカード)
デジタルカメラモード(カメラ)
ムービーモード(カメラ)
音楽再生(ミュージックモード)
別のJavaアプリの起動

 待ち受けアプリを使用している時を考えてみよう。

 メールの送受信や,音声通話の発着信は,何の問題もなく行える(もちろん,一時停止状態にはなるのだが)。ところがWebやステーションのメッセージを閲覧しようとすると,Javaアプリが強制的にシャットダウンされてしまう。

 シャットダウン自体は,たいして時間はかからないのだが,Javaアプリの待ち受け設定をONにしている場合,Webやステーションを終了させると,Javaアプリが自動的に再起動される。これが,けっこうゆっくりと起動するのだ。気にしなければ,それで済む程度ではあるものの,Java第1フェーズ端末では,Webブラウズもステーションも,Javaを一時停止した状態で使えたわけだから(6月26日の記事参照) ,少し退化してしまったといえなくもないだろう。

キャッシュをチューンナップ!?

 J-SH51でWebを閲覧したとき,何より驚かされたのが,キャッシュの展開速度の遅さだ。ブラウザの「戻る」を押してみれば,その遅さに驚くはずだ。

 最初のうちは,直前まで使用していたJ-T06と比較して,あまりの遅さに端末の不具合かとも思ったのだが,どうやらそうではないらしい。

 そんな遅さを補うためか,J-SH51のWebブラウザには,非常に便利な履歴機能が搭載されている。


Webページ閲覧中の「メニュー」には,さまざまな項目が並ぶ。これまでなかった「更新」は,PCユーザーにはおなじみの操作だろう。ページ内検索ができるのも便利だ。履歴もこのように表示されるが,一度ブラウザを終了させてしまうと消えてしまう。「ラストURL」に似た機能がほしいところ

 例えば,閲覧しているページの,6ページ前を再度閲覧したいとき,J-スカイボタンで「戻る」を選択すると5回もボタン操作をする必要がある。1ページさかのぼるごとにキャッシュを読み込み,展開するため,なかなかスムースに目的のページまで戻ることができない。

 しかし,ファンクションキーの右横に配置されているダイレクトキーで「メニュー」を呼び出し,J-スカイボタンで「リレキ」を選択すると,最大20件のこれまでの(同一セッション内で)閲覧履歴一覧が表示される。目的のページを選択することで,ダイレクトに目的のページまでさかのぼることができるというわけだ。

 ところが,キャッシュの展開が遅いため,履歴機能さえ気軽に使いたいとは思えなくなってしまうのだ。

 ちなみに,J-SH51でキャッシュに使用するメモリは最大で約700Kバイト。ただしこのメモリは,受信メールボックス,Webメッセージフォルダ,ステーション情報ボックスと共用しているため,キャッシュ容量を大きくすればするほど,ほかのデータ保存件数が少なくなる。

 J-SH51のブラウザでは,キャッシュ容量を10%以上の数値で任意に設定できる(初期設定では30%)。試しにキャッシュの容量を70%にしてみたのだが,当然,キャッシュの展開速度に変化は見られなかった。

 逆に,最小の10%に設定してみたところ,気のせいかキャッシュの展開速度が向上したような印象もある。簡単なテストの結果ではその差をはっきりと見ることはできなかったが,展開の遅さををカバーできるのならおまじない程度の設定でも試してみたくなる。


ウェブ設定からキャッシュを設定できる。使用率を10%に設定すると,心持ち動作が速くなったかな……という気もするのだが,70%に設定したときとキャッシュ展開時間を計測し比べてみたところ,明確な違いは現れなかった

 実のところ,キャッシュ容量を大きめに設定するメリットは,パケット通信料金を少しでも節約することぐらい(もちろんこれも重要なのだが)。しかし,PCを少しかじっている者にとっては,キャッシュを利用することで,Webブラウズがよりスムーズになればと考えてしまう。

 パケット通信が28.8Kbpsに対応しているにもかかわらず,以前の回線交換式9600bps時代と比較して,速度の向上を体感しづらいのは,端末の特性にも原因がありそうだ。せっかく整えたインフラが活かされてないと思うのは筆者だけだろうか。

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[陸手豪,ITmedia]

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