世界の携帯電話販売台数,初の前年割れ

世界でも携帯電話の需要減速が起きている。ガートナーの調べによると,2001年の販売台数は,史上初の前年割れとなった。

【国内記事】 2002年3月12日更新

 ガートナージャパンは3月12日,2001年の世界の携帯電話端末販売台数が,対前年比3.2%減の3億9958万台であったと発表した。これまで,1996年から2000年の5年間にかけて年成長率はおよそ60%に達していたが,初めて前年割れしたことになる。

 ガートナーーデータクエストでは,「西欧や南米でプリペイド端末に対する販売奨励金が,2001年に廃止の動きが広まったこと」「SIMカード(用語)の販売が好調だったため,GSM方式の中古端末の利用を促進したこと」などをその理由として分析している。

 また2000年第4四半期に発生した大量の在庫が,正規のルートを通さない「グレー・マーケット」に流出したことも理由としている。

 期待されたGPRS端末(用語)は,ネットワーク構築が遅れ,ユーザーは次世代携帯電話まで買い換えを控える傾向にあるようだ。

ベンダーではNokia続伸,3位争い激化

 ベンダーでは,Nokiaがリードを広げ,世界市場におけるシェアは35%と1位を堅守。第4四半期には約4000万台の販売を記録し,同四半期におけるシェアは37%弱に達している。

 第2位のMotoloraは中国市場でNokiaを抑えて首位に立ったほか,北米および南米ではCDMA方式端末のトップベンダーとしての地位を確立している。

 第3位は,四半期ごとにベンダーが入れ替わったが,通年ではSiemensがその地位を確保した。上位ベンダーの中ではSamsungが最も販売台数を伸ばし,対前年比36.8%の成長を記録した。

 Ericssonの販売台数は2001年に35%減少したが,ソニーとEricssonの合計では販売台数は3400万台に達している。第3位争いはまだまだ続くとガートナーでは見ている。


 2002年上半期でも「携帯電話端末販売が完全に回復するとは考えにくい」(ガートナー)が,カラー画面が新しい需要を創出するかもしれない。ガートナーによると,2001年第4四半期ではカラー液晶を搭載したEricssonの「T68」が予想以上にユーザーに受け入れられたとしている。

 日本のベンダーは,2001年はパナソニック,NEC,三菱電気が,それぞれ6位,7位,9位に入っているのみ。ただし海外ベンダーに比べてカラー画面端末の開発に圧倒的な経験を有していることから,ガートナーは「2002年は日本ベンダーが世界市場でプレゼンスを高める大きな転換期になる」と期待している。

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[斎藤健二,ITmedia]

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