「技術よりマーケティング」──CDMA2000 1xネットワークをKDDIは活かせるか?(1/2)

KDDIが4月1日からスタートするCDMA2000 1xは,第3世代とはいいながら,新サービスは12月に始まったものを引き継いでいる。どちらかというと新端末が多数登場すること,そしてこれを契機としてKDDIの方針が変わったことが大きい。「技術よりマーケティング」──KDDIはそれを実践できるだろうか。

【国内記事】 2002年3月12日更新

 “FOMAよりすごい第3世代”──KDDIの第3世代携帯電話サービス「CDMA2000 1x」の発表会では,言葉の節々にそう強調したいKDDIの意気込みを感じた。

 それもそのはず。確かにFOMAで問題として挙げられている点を,ことごとくCDMA2000 1xはクリアしている。

課題FOMACDMA2000 1x
バッテリーの持ち55時間程度200時間以上
大きさ150グラム前後100グラム前後
端末価格スタート時6万円程度スタート時2万円程度
通信エリアスタート時16号線内全国(高速通信はスタート時東名阪)

 「(FOMAと異なり)第3世代携帯電話でも,端末はほぼ同じ大きさ重さを踏襲できる」とKDDIの小野寺正社長が話す通り,ユーザーはこれが第3世代携帯電話であることを意識しないで利用できるだろう。

 それが「業界ナンバーワンを目指す。700万台は他社には絶対真似ができない」(小野寺氏)という自信につながっている。

見せ方も大きく異なるKDDIの第3世代

 「その手で未来が動き出す」──といったキャッチコピーで,新しさを強調したドコモに対して,KDDIは第3世代とはいいながら,ユーザーにはそれを意識させない戦略を取る。

 FOMAは“特別なもの”とされ,型番も新しくするなど第3世代を強調する見せ方をしているが,KDDIのCDMA2000 1xは,「あくまでcdmaOneの延長線上にあるもの」。KDDIは“なだらかな移行”を強調する。

ドコモKDDI
現行機種型番ムーバN503iScdmaOne C3001H
第3世代機種型番FOMA N2002cdmaOne A3011SA

型番名の例

 auの3G戦略は一般消費者にもうまく伝わったようで,インフォプラントの調査によると,「auの第3世代携帯電話サービスを4割が評価」という結果が出ている。同社が2月末に同様の調査をFOMAに関して行ったときは,「FOMAへ利用意欲を見せたのは3割強」。

 この数字を「大きな違い」と見るか「どっちもどっち」と見るかは微妙だが,同社の消費者パネルにはドコモユーザーも多く,「ドコモを使っていて電話番号を変更できないから」といった回答もあることを考えると,CDMA2000 1xは良いスタートを切ったといえるのではないだろうか。

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[斎藤健二,ITmedia]

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