やっぱりちょっとトリッキー?──P-in memoryを再チェック

CF Type Iサイズでフラッシュメモリ機能も備えるNTTドコモのカード一体型PHS「P-in memory」PDAと組み合わせて使うと魅力的なこのカードだが,マルチファンクションカードという性格上,利用できるハードを選ぶという側面を持つ。どこまで便利に使えるか再検証してみた。

【国内記事】 2002年3月14日更新

 ドコモの「P-in memory」は,CF Type Iエクステンド,16Mバイトのフラッシュメモリカード機能も備えるカード一体型PHS。CF Type1にしたことで従来のP-inシリーズより多くのPDAで利用できるようになった。内蔵メモリが少なく,拡張スロットを1つしか持たないPDAで16Mバイトというフラッシュメモリ機能を兼ね備えたことはかなり魅力的だ。

複数のハードウェアとの組合せでは運用に注意が必要

 本製品の詳細なスペックについては2月1日の記事を参照してほしいが,注目はやはりフラッシュメモリカードとして使えること。このカードのマルチファンクションをサポートするPCやPDAならば,1枚のカードで通信機能とメモリ機能を同時に利用することができる。

 PCでは今さらの16Mバイトのメモリカード機能も,PDAでデータ通信と同時に利用できるなら,メールの保存先などとして便利に使えるだろう。

 ただ,本製品で注意すべき点は,便利さを提供してくれるマルチファンクション仕様が諸刃の剣になるということだ。例えばPCとPDAで1つのP-in memoryを利用する場合,片方がマルチファンクション対応,片方が非対応の場合は面倒なことになる。

 P-in memoryには,モデムとして利用する「モデムカード」モード,ストレージとして利用する「メモリカード」モード,モデムを利用しながらストレージとしても利用できる「モデムカード+メモリカード」 (マルチファンクション) モードの3種類のモードが用意されている。

 P-in memoryは,カード内部で設定された動作モードを保持している。このうち,モデムモード,メモリモードはそれぞれ汎用ドライバで動作し,Windowsならば標準モデム,ATAPIコントローラとして認識される。

 ところがマルチファンクションで動作するモデム+メモリモード(同時に機能を利用できる)では,専用ドライバが必要であり,さらにこのモードになっている状態ではマルチファンクション非対応のPCやPDAでは動作モードの変更もできない。

 つまりマルチファンクション対応のPCかPDAが手元にないと,マルチファンクション非対応のPCやPDAでは全く利用できない状態になってしまうのだ。


LOOX T8ではモデム+メモリモード用の専用ドライバがインストールできなかった。マルチファンクションに設定された「P-in memory」は汎用多機能PCカードとして認識されるが,モデムとしてもメモリカードとしても機能せず,設定ソフトから動作モードを変更することもできない

iPAQでも使えるモデム+メモリモード,ただし制限も……

 筆者のiPAQ Pocket PCは既にPocket PC 2002にアップグレード済み。NTTドコモの動作確認表によると3月15日現在,Pocket PC 2002がインストールされたデバイスでP-in memoryのマルチファンクションが動作するのは日本HPの「jornada 568」のみだ。

 また,Pocket PC(Pocket PC 2002にアップグレードする前)の状態ではモデム+メモリモードで利用できるが制限があり,通信中に本製品のメモリへのアクセスは禁じられている。データ通信が途絶えてしまうからだ。

 iPAQでP-in memoryを使ってみたところ,まずモデム+メモリモードはPocket PC 2002でも動作した。しかし,データ通信中にP-in memoryのメモリへアクセス(正確にはWeb上からftpで受信を行い,P-in memoryのメモリへ保存)すると,通信回線としては接続されたままにも関わらずデータ通信が一切行われなくなってしまう。Pocket PCのときの制限はそのまま残っているようだ。


Pocket PC 2002にアップグレードしたiPAQでもマルチファンクションモードはサポートされ,制限はあるがモデム+メモリモードで動作する

しかし,Pocket PC 2002/2000のメール機能では,添付ファイルの保存先だけならメモリカードに指定できる。この場合,一度PDA本体のメモリに添付ファイルも受信し,受信終了後に添付ファイルを分離してメモリカードに書き込む。つまりデータを送受信しながらメモリカードへのアクセスが発生するわけではないからだ。

実際,P-in memoryでインターネットに接続しつつ,添付ファイルの保存先をメモリカードに設定しておいてもとりあえずは問題なかった。200KバイトほどのJPEG画像を添付し3通連続受信したが,インターネット接続も継続でき,添付ファイルも正常だった。iPAQでも標準のメール機能なら少なくとも,添付ファイルの保存先にP-in memoryのメモリカードを指定するといった使い方はできるということだ。

前のページ | 1/2 | 次のページ

[坪山博貴,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!