Pocket PC向け電子ブックをPalmデバイスで──ボイジャーとアーキタンプが提携

ボイジャーはPalmデバイス向け電子ブックリーダを開発するアーキタンプと提携した。ソースの統一やボイジャーの「T-Time用データを「PooK」に変換するツールの提供など両者をシームレスに利用できる環境作りを進めていく方針だ。

【国内記事】 2002年3月14日更新

 ボイジャーとアーキタンプPDAを中心とした電子出版に関するソフトウェア開発において,技術提携を結んだことを3月14日,発表した。

 今回の提携のポイントは,電子ブック作成時に出版社が提供するデータ(ソースファイル)を,ボイジャーの「TTX」形式で統一するという点。ソースが統一されることで,出版社サイドは両ブックリーダ向けのコンテンツを作成する際,1つのソースを作るだけでよくなり,利便性が大きく高まる。

 ボイジャーとアーキタンプは同じデータを元に,それぞれのデバイスに最適化されたフォーマットで電子ブックを作成することになる。

出版社の電子ブック参入が狙い

 ボイジャーのT-Timeはソースとして,HTMLをベースに改ページや挿絵対応のための独自のタグを埋め込む「TTX」形式を採用,一方のアーキタンプも独自のソース形式を採用している。

 ブックリーダの利用する形式が異なれば,出版社はリーダごとに個別のソースファイルを用意しなくてはならない。「その煩雑さが,出版社が電子出版進出に消極的になる一因になっていた」(ボイジャー広報)

 電子ブックは紙と比較すればまだまだごく小さい市場だけに,出版社がデータを作りやすい環境を整えていく必要がある。出版社の進出を促し出版物の点数を増やしていくために,アーキタンプの藪田綾一代表取締役も「出版社からの要望もあり,今回の提携に至った」と話す。

 両社は,将来的にはPookとT-Timeの電子ブックデータをシームレスに利用できる環境の整備を視野に入れていると話す。ただ「現在は,電子ブック市場の広がりとPalmデバイスのパフォーマンス向上の様子を見ている段階」(アーキタンプ藪田氏)という。

 また,今回の提携に伴い,ボイジャーはPocket PC向けT-Timeの電子ブックデータをPooK向けに変換するソフト「T-Break」を開発,無償提供する計画。アーキタンプはTTXがサポートしている挿絵やインデントといった主な機能を搭載したPooKの新バージョン「PooK Ver.2」をリリースする予定だ。

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[後藤祥子,ITmedia]

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