AirH"128Kサービスがますます便利に。MN128 Slotinが正式対応

ADSLやCATVが利用できなくても,AirH"の128Kサービスが利用できるという環境はまだまだある。多機能ルータ「MN128 Slotin」がAirH"128Kに対応したことで,常時接続環境の選択肢が広がった。

【国内記事】 2002年4月9日更新

 NTT-MEの多機能ルータ,「MN128 Slotin」が,AirH"128Kサービス対応の通信カード「AH-G10」に正式対応した。

 MN128 SlotinとAH-G10を組合わせることで,128Kサービスを複数のPCから利用することが容易になる。利用層は限定されるが,さまざまな事情で有線のインターネット常時接続が利用できない人には,ますますAirH"が魅力的になるだろう。

ファームウェアアップデートでAH-G10,CFE02に対応

 MN128 Slotinは,NTT-ME(開発元B.U.G)が販売する多機能ISDNルータ。2つのPCカードスロットを備えており,通信カードを組合わせればISDN以外での接続も利用できる。イーサネットカードを組合わせればブロードバンドルータとしても機能する。


「MN128 Slotin」

 昨年秋にリリースされたファームウェア1.60で既にMC-P300に対応し,AirH"32Kパケット/フレックスチェンジでの接続も利用可能になっていたが,最新ファームウェア1.71ではホンダエレクトロンのAH-G10,NECインフロンティアの2つのAirH"対応カード一体型端末にも対応した。なおこのファームウェアから,NTTドコモのPHS対応カード一体型端末「P-in m@ster」「P-in Memory」にも対応している。


ファームウェア1.71ではAH-G10やCFE02がモデムカードとして選択可能になった。通信カードを利用する場合でも,モデムの選択さえしてしまえば,あとは特に設定が必要な部分はない

ルータを利用することでより快適に

 MN128 SlotinでAH-G10を利用するメリットは,「LAN上の複数のPCから同時にインターネット接続ができる」「AirH"128Kサービスが利用できる」といった点はもちろん,端末設置位置の自由度が増すという点も挙げられる。

 AirH"128Kサービスは,屋内ではちょっとしたロケーションの変化でもスループットが大きく変化する。端末とMN128 Slotinと組み合わせれば,PCの利用場所に関係なく電波状態のより良い窓際などに端末を(つまりMN128 Slotinを)設置できる。

 MN128 Slotinは無線LAN接続もサポートできるので,完全に“有線レス”なインターネット常時接続環境を実現できるわけだ。それこそMN128 Slotinごと持ち運べば,あとはコンセントさえあればどこでも複数のPCから無線LANでインターネット,という使い方だってできる(あまりやらないとは思うが)。

 筆者宅では,PCを利用する場所が窓際から4メートルほど離れており,AirH"128Kサービスでも受信速度は60〜70Kbpsに留まる。一歩外に出れば受信速度が100Kbpsを超えることもあるので,屋内ではこの4メートルの差がスループットに大きく響いてくる。

 実際にMN128 SlotinとAH-G10を組み合せ,これを窓際に設置してインターネットに接続した場合,受信速度は98Kbps。もちろんMN128 Slotinを介すことでスループットが向上している可能性もあるが(ダイヤルアップ接続を使用しない分負担が減る),これは明らかに端末設置場所の違いが生んだ結果だろう。


左が窓際に置いたMN128 Slotin+AH-G10での受信速度,右が窓際から4mほどの位置のノートPCで直接AH-G10を利用した場合の受信速度。約1.5倍の受信速度の違いは大きい

 以前にも32Kパケット接続でAirH"とMN128 Slotinの組合せは取上げているが(2001年8月の記事参照),やはり128Kサービスは隔世の感がある。もちろんADSLと同程度に快適とまではいわないが,ニュースサイトなどを順次閲覧していく分にはほとんどストレスを感じない。

非公式対応ながらbモバイルの128Kサービスも利用可能

 今回のファームウェアアップデートでは日本通信がサービスするbモバイルプリペイドサービスの「BMH-G10」は含まれていない。ただしBMH-G10とAH-G10は事実上同じ製品であることは既に知られているし,筆者のテストした限りAH-G10として扱うことで問題なく動作した。

 bモバイルの特徴であるウェブアクセラレータも問題なく利用できた。BMH-G10を直接PCで利用する場合と異なるのは,プロキシの設定を「インターネットのプロパティ」でダイヤルアップ接続に対してではなく「LANの設定」に対して行う点であり,これも特に難しくはない(Internet Explorerの場合)。複数のPCでbモバイルを利用する場合にウェブアクセレータの持つ意味は大きいだろうし,実際Michelleを利用すると画像の劣化は激しいが,タブブラウザの利用はかなり快適になる(3月22日の記事参照)。


ウェブアクセラレータを利用する場合に異なってくるのは,プロキシの設定をLANの設定に対して行うこと。もちろん設定内容も変わらない。これでウェブブラウズ時に見掛け上の受信速度を向上させられる

 AirH"やbモバイルプリペイドサービスで128Kサービスを利用する場合,月額で7000〜1万円程度のコストとなり,フレッツISDNやADSL,CATVと比較すると決して安価ではない。しかしAirH"は利用できるが,さまざまな事情で有線のインターネット常時接続が利用できないロケーションは,地方部はもちろん都市部でも未だに存在する。

 限られた需要だとは思うが,MN128 SlotinとAH-G10やBMH-G10の組合せが魅力的となる人もいるだろう。自宅では複数のPCで,さらにモバイルでも活用できるのだから(いちいち取り外して持ち出す手間はあるが),有線の各種インターネット常時接続手段に比較して,必ずしも割高とは言い切れないはずなのだ。

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[坪山博貴,ITmedia]

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