折りたたみ式でキーボード付きの新CLIE「CLIE NRシリーズ」徹底レビュー：
（5）ソフトウェア編

ハードウェア面で大きな進化を遂げたCLIE NRシリーズ。ハードに見合うだけのソフトウェアの進化は見られるのだろうか。付属ソフトを一通りチェックした。

【国内記事】

2002年4月12日更新

　ハード面では著しい進化を遂げたNRシリーズだが，ソフト面での大きな変化はない。Tシリーズに付属ソフトと比べると機能のブラッシュアップは施されているものの，新アプリはPEG-NR70Vの撮影アプリだけで，NRシリーズ自慢の「縦長液晶」に対応しているソフトも1つだけだ。

　もちろん，ほかのPalmデバイスに比べれば利用価値の高いものが豊富に揃っているのだが，優れたハードを存分に活かしているといえないのは残念だ。

標準アプリは「アドレス」と「辞書」を強化，インストーラも一新

　CLIEはPalm OS標準のアプリにも独自のカスタムを行っている。NRシリーズの標準アプリは「アドレス」アプリと「辞書」アプリに手が加えられた。

　アドレスは貼り付けた画像の品質が向上した。Tシリーズまでの画像と比べてみると，その違いは一目で分かる。

左がTシリーズまでの，右がNRシリーズのアドレス画面。画像のサイズは同じだが，ハイレゾで美しくなっている

　辞書はフォントサイズを変更できるようになった。スモールフォントを使うと1画面により多くの情報を収められる。

一番下にフォントを選べるボタンが追加された辞書アプリ

　なお，「予定表」と「環境設定」にもバージョンアップを示すマークが付いているが，どちらもバイブレーション機能がなくなったことによる改変だけであり，機能が強化されたわけではない。

《表1：NRシリーズ標準アプリ一覧》

名前	バージョン	内蔵/CD-ROM	説明
アドレス	○ 4.12S	内蔵	アドレス帳ソフト
予定表	○ 4.12S	内蔵	予定表ソフト
メモ帳	− 4.12S	内蔵	メモ帳ソフト
ToDo	− 4.12S	内蔵	ToDoリスト
アプリケーション	− 4.12S	内蔵	ランチャー（ホーム画面）
メール	− 4.1	内蔵	メールリーダ
環境設定	○ 4.0	内蔵	環境設定ソフト
初期設定	− 4.0	内蔵	初期設定ソフト
データ保護	− 4.0	内蔵	セキュリティ機能
電卓	− 4.0	内蔵	電卓ソフト
辞書	○ 4.12S	内蔵	辞書ビューア
HotSync	− 4.0	内蔵	HotSyncソフト

バージョンの欄にある記号の意味：◎……新作，○……Tシリーズよりも新しい，−……Tシリーズと同じ

　PCに各種ソフトをインストールするためのインストーラについても触れておこう。

　インストーラは単純にインストール項目を選択するだけのものから，ユーザーの用途に応じて必要な項目をインストールできるものへと改良された。PC用/CLIE用の各アプリは「基本ソフト/サウンド/画像/インターネット/機能拡張/メモリースティック関連/データ活用」の7ジャンルに分けられ，使いたい機能だけを選んでPCやCLIEにインストールできる。

これまでのインストーラ。例えばWebブラウザXiino関連のソフトをインストールするとき，PC用のコンジットは「ネットワークにつなぐ」を選び，Xiino本体は「Palmアプリケーションのインストール」を選ばなければならず，初心者は戸惑ってしまう

　また取扱説明書がすべてオンラインマニュアルとして提供されるため，自宅と職場の両方でマニュアルを参照できたり，オンラインヘルプもこれまでのものより丁寧にナビゲートしてくれるようになった。インストーラの改良を含め，初心者への配慮が随所で見受けられる。

たび重なるソフトの追加によってまとまり感がなくなってきたインストーラが一新。初心者に優しくなっている

オンラインヘルプもより使いやすくなった

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[濱田宏貴，ITmedia]

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