携帯向けフラッシュメモリの微細化を進めるIntel

Intelが,0.13μメートルのプロセス技術を使ったフラッシュメモリを発表した。1.8ボルトで動作する。

【国内記事】 2002年4月18日更新

 ワイヤレスに注力するIntelが,0.13μメートルプロセス技術を使ったフラッシュメモリを発表した。この新メモリは,高速動作,低消費電力を特徴としており,Intelは「一般的なフラッシュメモリと比べて,最大4倍の性能」だとしている。

 サンプル出荷は64Mビット品で既に開始されており,32Mビット品は6月,128Mビット品は第4四半期の予定。


Intel Developer Forum 2002 Spring Japanで展示された,Intel製フラッシュメモリを搭載した国内の携帯電話。Intelによると現在,世界の携帯電話の50%以上,Windows CE搭載PDAの90%以上が,Intel製フラッシュメモリを採用しているという

携帯のHDDに当たる,フラッシュメモリ

 携帯電話をPCに例えれば,フラッシュメモリはHDDに当たる。Javaの搭載やカメラ付き端末の登場など,携帯電話は急速に大きなメモリ容量を必要としてきており,Intelによると現時点で20〜50Mビット。しかも「最近では12カ月で倍増」しているという。

 携帯向けフラッシュメモリへの要求は数多い。

 1つは消費電力だ。Intelの新メモリでは1.8ボルトで動作し,消費電力を60%削減したという。「日本ではまだまだ3ボルトが主流だが,将来1.8ボルトに移行すれば,より消費電力削減に貢献する」(Intel)

 また,最大66MHzのバーストモードとページモードを利用でき,高速なコード実行を可能にしている。さらに「フレキシブル・パーティション」と呼ぶ,読み出しと書き込みを同時に行える仕組みを搭載。4Mビットブロックごとにメモリの使用を最適化することで,「端末メーカーがいろいろな意味でメモリを利用できる」(Intel)ようにした。

 これらの機能実現の核となったのは,Intelが最も得意とする半導体プロセス技術だ。半導体は回路の微細化によって,高速,低消費電力,低コストになっていく。今回の新メモリは,Pentium 4など最新のCPUで使われているのと同じ,0.13μメートルのプロセス技術を用いて製造される。

 これまで,CPUに採用されたプロセス技術がフラッシュメモリにも利用できるようになるまで「6カ月〜7カ月の遅れがあった」(Intel)。しかし,その差は縮まる傾向にあるという。プロセス技術で最先端を走っていることが,フラッシュメモリでもIntelの最大の強み。「他社と比較して,常に少なくとも1世代先行している」(Intel)

メモリ立体化技術も

 また,小型でロジック回路も組み込める新しいパッケージ技術も披露された。複数の半導体のダイを積み重ねるスタックド技術を進化させたもので,現行の3層パッケージよりも数多くの積み重ねを可能にする。

 「フォールデッド・スタックド・パッケージ」とIntelが呼ぶこの技術は,テープベースの柔軟性のある基板を使い,折り畳むことで複雑な積み重ねを実現する。メモリだけでなくロジック回路などさまざまな組み合わせが可能だ。


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[斎藤健二,ITmedia]

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