J-フォン,第3世代携帯の本格サービスを12月に延期

J-フォンが3G本格サービスを半年延期する。当初予定の6月からは試験サービスを始め,12月に全国主要都市で一斉に本格サービスを始める計画だ。

【国内記事】 2002年4月24日更新

 J-フォンは4月24日,第3世代携帯電話(3G)の本サービスを12月に延期すると発表した。当初は6月30日からの本格サービス開始を予定していた。


会見に臨んだ,J-フォンのDarryl E. Green社長

 6月30日から試験サービスを首都圏の国道16号線内92市区町村で開始する。試験サービスでは音声通話とデータ通信に加え,GSM圏との国際ローミングが提供される。国際ローミングは,3G端末に組み込まれた「USIMカード」(用語)を取り外し,海外のGSM端末などに差し替えることで実現する(12月20日の記事参照)。

 試験サービスを半年間かけて実施,ユーザーからの意見をフィードバックした上で12月から本格サービスに移行する計画。試験サービスのユーザーは2000人程度を想定し,関係各社への配布のほかネット上での公募も行う予定。

 新サービス開始当初のサービスエリアは首都圏と全国主要都市の合計675区市町村で,約6割の人口をカバーする予定。2003年度末には2261区市町村で提供,人口カバー率約9割に拡大する計画だ。2003年末の加入者数は200万人程度を想定している。

J-フォン,2度目の延期

 J-フォンの第3世代携帯電話サービスは,当初は2001年12月の本格スタートを計画。2001年3月になって,「W-CDMAの仕様に大幅な変更が生じたため」(J-フォン)今年6月への延期を発表していた(2001年3月の記事参照)。

 今回の延期の理由は,「3G仕様の国際標準に合わせるため」(J-フォンのDarryl E. Green社長)。Vodafoneと足並みをそろえたのでは,との憶測も飛んだが,Green氏は“あくまで国際標準に合わせるため”であることを強調した。

 今回,3G仕様自体は大きく変わっていないが,仕様のあいまいな部分を明確化するなどの変更が行われたという。特に,ネットワークと端末間のセキュリティを高めた手順が採用される。

 Green氏は延期であることを認め,「第3世代携帯電話は2Gに比べて10倍くらい難しい」と語る。通信ネットワーク自体はスタートさせるものの,「写メール」や「待ち受けJavaアプリ」など,魅力的なアプリケーションを得意とするJ-フォンの姿はそこにはない。

 端末の供給メーカーとしてはNECと三洋電機を挙げたが,第3世代ならでの機能に関しては,今後の話題として話を避けた。「まずは3Gを無事に12月からスタートさせてから」(Green氏)

 「(NTTドコモ,KDDIに続いて)3番目である以上,努力はしている」と語るGreen氏。写メールで急速にシェアを伸ばすJ-フォンだが,3Gでは延期を繰り返すなど,順風満帆とはいえないようだ。

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関連リンク
▼ J-フォン
▼ J-フォン プレスリリース

[斎藤健二,ITmedia]

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