シャープ,システム液晶を10月から量産へ

シャープは,液晶パネルにドライバICやコントローラを集積した「システム液晶」の量産を10月に開始する。需要拡大を見込んで新工場も建設する計画だ。

【国内記事】 2002年4月24日更新

 シャープは4月24日,液晶パネルにドライバやコントローラなどを集積した「システム液晶」の量産を10月から始めると発表した。


 システム液晶は,液晶パネルとドライバIC,コントローラ,電源用ICなどの部品を同一パネル上に形成できる。文字などのスーパーインポーズに必要なLSIを省いて小型・低消費電力化できるほか,VGA解像度の画像を表示しながら任意の部分を瞬時に拡大させる,といった特徴を持つ。

 システム液晶は,同社の「連続粒界結晶シリコン」(CGシリコン)をコア技術とする。従来の多結晶シリコンに比べ3倍程度高い電子移動度を持ち,アモルファスシリコンや多結晶シリコンでは難しかったシステム液晶の形成を実現した。


 量産は10月から天理工場(奈良県)で開始する。シャープは携帯電話やPDA,車載用など向けの小型な高付加価値製品の需要拡大を予測。天理工場だけでは2003年半ばにも供給能力が限界に達すると見て,三重工場(三重県多気町)内に新工場を建設して増産する。

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