ドイツでiモードは売れていない?──「n21i」を現地調査(1/4)

海外でサービスを始めたiモード。しかし,その状況はほとんど日本に伝わっていない。ドイツのE-Plusが開始したiモードの現状を現地で調査したところ,予想以上に苦戦していることが分かってきた。

【国内記事】 2002年4月26日更新

 2002年3月16日,ドイツでiモードサービスが開始された。続いて4月10日にはオランダでもサービスが始まり(4月5日の記事参照),この6月にはベルギー(3月4日の記事参照),そして年内にはフランスでのサービス開始が予定されている(4月17日の記事参照)。日本国内では既に3200万台(2002年3月末現在)を超えたiモードが,まさに海を越えて普及し始めようとしている。

 だが,海外でiモードが確実に成功するという保証はどこにもない。携帯電話に対するニーズが,日本と欧州で同じかどうかは我々にはよく分からない。また,EricssonやNokiaのシンプルな製品が主流の国で,256色大型カラー液晶や16和音着メロなどのやや過剰ともいえる装備を持つNECの製品がどう評価されるのかという疑問もある。

 これまでに行われた海外の展示会では,参考出品されたiモードに対して関係者からの高い評価を受けたと聞く。だが,実際に購入するのはその国の一般の人々だ。

 iモードはドイツの人たちに本当に歓迎されているのだろうか。我々は,急遽「海外iモード調査隊」を結成し,ドイツのiモード事情を調べに行くことにした。

4月5日(金)──ベルリンの携帯ショップにて

 ドイツの首都ベルリンに入った調査隊は,まずその寒さに驚くことになる。前日まで滞在していたフランスのパリでは,日中20度を越す初夏の陽気だったのに,到着した午後5時頃には9度と真冬の寒さで,夜には3度にまで下がってしまうとのこと。事前の情報によって半信半疑で持ち込んだダウンジャケットは,そのまま手放せない生活必需品となった。

 ドイツでの滞在はこの日から3日間のみ,日曜の午後には再びパリに戻る予定である。飛行機が予定より2時間ほど遅れたこともあって,まずホテルでゆっくりしようと思ったのだが,なんとベルリンではどこの店でも「日曜は休み」というのが常識だと知らされる。しかも土曜も午後4時までしか空いていないらしい。平日は午後8時までということなので,空港からとにかくベルリン市内へと向かうことにした。

 空港からバスで主要駅まで約30分,さらに宿泊先近くの駅まで電車で約20分,着いたところがAlexander Platzという駅だ。電車と地下鉄が乗り入れる,比較的大きな駅である。この駅ビルの1階に,E-Plusショップ・ベルリン7号店がある。


ガラス張りの店舗はまるでしゃれたコーヒーショップのようで,かなり洗練された印象。ちなみに,E-plusは英語風にイープラスと読むが,ドイツ語ではプルスと発音されるようで,日本でイープリュスやイープルスと紹介される場合もあるようだ

 まず,目に飛び込んできたのがiモードのディスプレイ。異国で見るiモードに調査隊も思わず感動してしまう。ベルリン市内にはE-Plusショップが20店舗あるが,すべて共通のディスプレイになっているという。これだけでもiモードサービスにかなりの力の入れていることが伝わってくる。


iモードのディスプレイ発見

 金曜の夕方であればお店もにぎわうのかと思ったところ,どうもそうではないらしい。店員さんが2人いる以外には,ちょっと立ち寄って見ただけという感じのお客さんが2人ほどしかいない。混雑していないならこれ幸いと,調査隊はiモード端末「n21i」(2001年12月の記事参照)のチェックに取り掛かった。

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[鈴木晴代,江戸川,ITmedia]

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