手のひらサイズのWindows XPマシン「バイオU」速攻&徹底検証:
(5)速度性能

バイオUのような新カテゴリに位置づけされる製品の場合,厳格なベンチマークによる速度検証よりも,その製品が持つ速度性能が,使用感にどれだけ影響を及ぼすのかをチェックしたほうが面白い。ここでは,ほかのモバイルノートと比較しながら,バイオUの性能を調べてみた。

【国内記事】 2002年4月30日更新

性能スペックはサイズ重視のモバイルノートと同列

 CPUやメモリ,ハードディスクのスペックは,現在発売されているサイズ重視のモバイル向けノートPCでは平均的な内容だ。もちろん,これだけで性能が決まるということはないのだが,最新機種だからといって特筆すべき性能スペックは持ってないようだ。

  • LOOX SとバイオUの性能スペック比較

マシン名バイオUFMV-BIBLO LOOX S9/70
CPUTM5800 867MHzTM5500 700MHz
メモリ256Mバイト256Mバイト
HDD20Gバイト30Gバイト

 TM5800 867MHz/256Mバイト/20Gバイトというスペックは,システム操作やテキスト入力,Webブラウズ,メールチェックなどはさほど遅さを感じずに使えるが,大きな画像やムービーを扱うようなアプリケーションだと起動に数十秒〜数分かかることもある。

 ちなみにInternet ExplorerとWindows XPに標準搭載されているゲーム「ピンボール」の起動にかかる時間を計測してみたところ,バイオUとLOOX Sでは次のような結果になった。

 この数字からも従来のサイズ重視モバイルノートと比べて大きな性能差はないことがわかる。

  • アプリケーションの起動にかかる時間

マシン名Internet Explorerピンボール
バイオU3.7秒9.0秒
LOOX S4.9秒8.9秒

「ワンボタンですぐ起動」のPDAとまではいかないが安定して高速なスタンバイモード

 純粋なシステム性能の話はここまでにして,もっと実用シーンでの話に移ろう。

 最近のノートPCには「スタンバイ(スリープ)」といった機能が付いており,これを使うことで数分かかることもあるWindowsの起動や終了をすることなく,PCのオン/オフが行える。ただ,中にはこのスタンバイモードへの移行やスタンバイからの復帰に数十秒単位の時間がかかる製品もあり,これが意外とイライラさせられる要因となる。

 バイオUにはキーボードの上部(奥側)に「スタンバイ」と書かれたボタンが設けられ,これを使うことで起動中のWindowsをスタンバイモードにしたり,スタンバイ中のWindowsを復帰させることができる。これにかかる時間を計測してみたところ,下の表のようになった

 LOOX Sと比べると復帰に時間がかかってしまうのだが,スタンバイモードへの移行は素早い。またLOOX Sは下のような数字になっているものの状況によってかなり幅があった(スタンバイモードへの移行時に3.8秒ほどで済むこともあれば25.6秒もかかることがあった)のに対し,バイオUは安定して(前後1秒程度の誤差しかなかった)この数値が得られたことも付け加えておこう。

 ちなみに,バイオUは起動中に電源ボタンを押すと「Windows XP休止モード」に移行する。また,LOOX Sは液晶パネルの開閉によってスタンバイモードへの移行や復帰が行われるのに対し,バイオUは液晶パネルだけでは電源コントロールは行われなかった。終了時は忘れずにスタンバイボタンや電源ボタンを押すようにしよう。

  • スタンバイ/復帰にかかる時間

マシン名スタンバイ復帰
バイオU6.0秒8.8秒
バイオU(XP休止モード)17.0秒26.5秒
LOOX S14.4秒2.7秒


スタンバイボタン。カタカナ表記は好みが分かれるところだが,たくさんの人に使ってもらいたいという意味でカタカナにしたという


こちらは電源ボタンだが,起動中にこれを押すとXP休止モードに入る。スタンバイ中は復帰するのに何らかのキーを押せばいいのだが,休止中は電源ボタンかスタンバイボタンを押して復帰する

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[濱田宏貴,ITmedia]

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