2002年,携帯電話収入は減少と予測──ドコモ

ドコモが2001年度の決算を発表した。国内携帯電話契約者数の天井が見え始め,iモードの普及も飽和しつつある中,2002年度は携帯・自動車電話収入の減少,iモード単独ARPUも減少を予想している。

【国内記事】 2002年5月8日更新

 NTTドコモは5月8日,2001年度(2002年3月期)の決算を発表した。携帯電話事業は好調で,連結ベースで見ると,売上高は5兆1715億円と前年を10.4%上回った。経常利益も8533億円(対前年比24.2%増)と過去最高を達成したが,米AT&T Wirelessなど海外投資先の株式評価損が拡大したため(4月4日の記事参照),当期利益は約8億円(同99.8%減)にとどまった。

 2002年度(連結)は売上高5兆3740億円,経常利益9710億円,当期利益5110億円を見込んでいる。ただし,これまで増加してきた携帯・自動車電話収入は2002年度には減少。iモードとFOMAの収入増加でカバーする見通しを示した。


ドコモ,2002年3月期の決算説明会資料より

 2001年度はこれまでに引き続き,MOU(月平均通話時間),音声ARPU(月平均収入額)も減少。iモードARPUが8.4%増加することでそれを補った。

503iシリーズが40%に

 ドコモは,iモードARPUの増加を,Javaに対応した「503iシリーズ」の貢献によるものとしている。503iはiモード全体の39.1%に当たる1254万3000契約に達しており,平均使用パケット数も,Java非対応端末の2倍となっている。

 iモードARPUの増加は,iモードの普及率が80%近くまで伸びてきたことも大きい。しかし今後は普及率が頭打ちになるにつれ,減少へ向かう。iモードユーザーのみのARPUであるiモード単独ARPUも,今期は2110円から2200円へと増加したが,2002年度は2060円へと減少する見込みだ。


ドコモ,2002年3月期の決算説明会資料より

 また,iモードのカテゴリー別アクセス比率や利用パケット数比率も公開された。iモードサイトへのアクセス比率では,一般サイトが54%と引き続き公式サイトを上回った。

 内訳は,着信メロディ/画面が37%,ゲーム/占いが20%,その他エンタメが21%と大きくエンターテインメント系に偏った。2001年第4四半期で見た場合,着信メロディ/画面の比率が42%とさらに拡大している。

 利用パケット数の比率は,Webアクセスが83%,メールが17%とWebが中心。ただしアクセス数で見た場合,メールは2000年度の39%から50%へと急上昇しており,迷惑メールが影響を及ぼしたものと思われる。


ドコモ,2002年3月期の決算説明会資料より

 また,PHSは2000年度から10万契約ほど伸ばし,192万2000契約となったが,ARPUは4200円から3830円へと減少。赤字額は587億円に達した。またデータ通信比率は,58%から72.5%と大きく拡大した。

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[斎藤健二,ITmedia]

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