Mobile:NEWS 2002年5月13日 02:16 AM 更新

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キーピッチ【きーぴっち】

ノートPCのスペックの中で気になるのはキーボードの使いやすさ。特に重要なスペックであるキーピッチについて解説する。

 キーピッチ(Key pitch)とは、PCのキーボード上に並んだ、隣り合うキーとキーとの間隔のこと。キーとキーの隙間の幅ではなく、キー中央間の距離だ。横方向の間隔と縦方向の間隔のどちらも指すが、一般的に横方向の間隔として用いられることが多い。キーピッチはPCの操作性に直結しており、広すぎても狭すぎても使いにくいものとなる。


図:http://www3.toshiba.co.jp/pc/catalog/oldpc/ss/ss34r/img/gif/keypitch.gifより

 モバイル用、すなわち持ち運ぶことを意識したPCでは、このキーピッチの設定が重要なカギをにぎる。デスクトップPCのキーボードは、約19ミリ程度となっており、これは入力のしやすさから求められた数値である。だが、ノートPCに同様のスペックを適用すると、キーボード部が大きくなってしまうため、本体の小型化に制限が出てしまう。つまり小型化とキーピッチは相反する関係にある。

 そこで各メーカーとも工夫を重ね、広いキーピッチと本体の小型化を両立させている。中でも、本体よりも大きなキーボードが、蝶の羽のように開きながら現れる「バタフライキーボード」を持った日本IBMの「ThinkPad 701C」が秀逸だ。キーピッチ19ミリを実現した同製品は、MOMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネント・コレクションにも選ばれている。


ThinkPad 701C


図:http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tips/i/keyboard.gifより

 日本IBMの「ThinkPad i Series s30」では、ThinkPad 701シリーズのコンセプトがそのまま生かされており、幅257ミリのボディーサイズにキーピッチ18.25ミリのフルサイズキーボードを搭載している。こちらはバタフライではなく、本体の両側にキーボードをはみ出させた形状をしている。


ThinkPad i Series s30

 一方、使いやすいキーボードサイズを求めた結果、本体と液晶画面のサイズにまで影響を与えたのがソニーのVAIO C1である。同製品は「まずキーボードから作った」というだけあって、操作性を犠牲にせず小型化を実現している。そしてキーピッチ17ミリのキーボードに合わせた本体を作ったところ、液晶の両側にスペースができてしまうことから、C1専用の横長液晶が誕生したという背景がある。

 ところで、快適なキー入力を実現するために、キーピッチは必ずしも19ミリを確保することはない。むしろキーピッチを狭くして、キーボードを小さくすれば、理論上はすばやいキータッチができることになる。また、HP200LXやバイオUのように、独自の入力スタイルを持つ機種では、キーピッチの考え方が異なってくる。

 キーの入力のしやすさを決める要素は、キーピッチだけではない。キーを押したときの深さを表すキーストロークが十分でないと、素早い入力が行えない。キーストロークは約2ミリ程度が必要といわれており、キートップの高さを低くして、本体の薄さを確保するなど、こちらも各社工夫の跡が見られる。さらにキーを押したときの重さ(反発力)も、操作性に影響する。

 シャープのザウルス「MI-E21」や「MI-E25DC」は、キーピッチが6.5ミリ(縦、横)と、いわゆる入力の快適さとは無縁のスペックだが、両手の親指で入力することで「たったままでも使える」という基本コンセプトを実現している。

代表的なモバイル機器とキーピッチ

キーピッチ製品
11.5ミリカシオ計算機、CASSIOPEIA A-60
12ミリコンパック、810
12.5ミリPsion、Revo
13ミリ東芝、Libretto20
13.2ミリ日本HP、HP680LX
14ミリ日本HP、hp jornada 720
14ミリNTTドコモ、カラーブラウザボード
14ミリカシオ計算機、CASSIOPEIA FIVA MPC-103M62
14ミリソニー、VAIO GT(PCG-GT1)
14ミリソニー、VAIO U(PCG-U1)
14.1ミリNTTドコモ、Sigmarion
14.1ミリNTTドコモ、SigmarionII
14.5ミリ東芝、Libretto70
15ミリ東芝、Libretto ff 1050
15ミリカシオ計算機、CASSIOPEIA FIVA MPC-101M31
16ミリカシオ計算機、CASSIOPEIA FIVA MPC-225
16ミリカシオ計算機、CASSIOPEIA FIVA MPC-206VL
16.5ミリNEC、MobileGearII MC/R550
17ミリソニー、VAIO C1(PCG-C1VJ/BP)
17.5ミリ松下電器産業、Let'snote Light CF-R1RCXR
17.5ミリ日本HP、jornada820
18ミリ東芝、Libretto L1/060TNCM
18.25ミリ日本IBM、ThinkPad i Series s30(2639-43J)
19ミリ東芝、DynaBookSS M3/275PRHモデル

[ITmedia]

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