「F504i」はツインCPU搭載いろいろな意味で、携帯がPCに近づいていく。通信制御用のCPUとは別に、アプリケーションの動作専用のCPUを搭載した携帯も登場した
携帯電話にもCPU──。第3世代携帯電話では、通信用のチップのほかにアプリケーションを動作させるためのCPUを載せるメーカーが多い(2月28日の記事参照)。しかし、第3世代を待たずして、2.5世代といわれる現行の携帯電話でもアプリケーションプロセッサを搭載した端末が現れた。
富士通は最新iモード端末「F504i」に、アプリケーションプロセッサを搭載。「電話を動かすCPU以外に専用のCPUを搭載している。実質デュアルCPU」(富士通パーソナル販売推進統括部モバイルフォン販売推進部の坂本秀幸氏) F504iではJavaと3Dの動作にアプリケーションプロセッサを利用。高速に動作するなどのメリットがあるという。 504iシリーズ向けに3Dポリゴンエンジンを提供しているエイチアイでも「演算能力が相当上がるので、フレーム数も単純に上がる」と、アプリケーションプロセッサの効果を指摘する(5月21日の記事参照)。 初代のJava搭載携帯電話「F503i」の頃から、富士通はJavaにこだわってきた(2001年1月の記事参照)。現行機種のF504iでも、スケジューラや電卓機能などをiアプリとして搭載している。他社が内蔵ソフトウェアとして組み込んでいる機能を、バージョンアップや機能追加が容易なJavaプラットフォーム上に搭載することで高機能化を実現してきた。
アプリケーションプロセッサのメリットは、速度面だけではない。というのも、コンテンツあってのiアプリだからだ。 飛び抜けて速かったり、飛び抜けて遅いよりも、中間的な速さのほうがコンテンツを作ってもらいやすいという判断もあるようだ。今回N504iでシングルプロセッサを採用したNECは、「これまでの機種と比べると、N504iではCPUの周波数もメモリ容量もアップしている。チューニングをするにあたっても、速ければいいというわけではない」(NECネットワークス モバイルターミナル事業部商品企画部の山田義昭技術課長)と語る。 ただし、アプリケーションプロセッサを使うことで、電話機としての開発と、Javaプラットフォームの開発を分離して行えるというメリットもある。 アプリケーションプロセッサ採用に当たって、最大の問題点は部品コスト。しかし、それにより開発期間の短縮が可能になれば、開発コストの低下につながる(1月18日の記事参照)。 多くのアプリケーションプロセッサは、リッチコンテンツを扱うことが多くなると期待される第3世代携帯電話向けに開発されている(3月18日の記事参照)。しかし、日立製作所の「SH-Mobile」のように、2.5世代の現行端末向けの製品も登場してきた。 “普通の携帯でも、ツインCPU”──こんな時代は、知らぬ間にやってきている。
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