Mobile:NEWS 2002年7月2日 09:40 PM 更新

Lモード、契約数は1年で17万件

サービス開始から1年が経過したNTT東西の「Lモード」。「固定電話版iモード」と言われたLモードだが、契約者の伸びのほうは、iモードのように……とはいかないようだ

 「Lモード」のサービスが始まってから、1年が経過した。LモードはNTT東西地域会社による、固定電話を利用した情報配信サービスで、「iモードの固定電話版」と言われたもの。ただ当初より、「固定電話の買い換えサイクルは携帯電話のように短くない」という見方が大勢を占めていた。実際、開始当初の利用者数は伸び悩んでいたが、さて、1年が経過してどのような状況になっているのだろうか――。

 NTT東西のサービス開発部Lモード推進室は、Lモードの契約数状況や利用状況などのデータをまとめた「LモードPress」を発行している。それによると、2002年6月20日時点での契約者数は約17万人。NTT東西では昨年6月のサービス開始当初、「1年間で150万〜200万のユーザー獲得を目指す」(2001年6月20日の記事参照)としていたが、その約10分の1にとどまっている。

 エリア別の契約者数を見てみると、東京が2万3300件、神奈川が1万4900件、大阪が1万2900件などとなっており、大都市圏に集中していることがわかる。また、固定電話1万加入あたりのLモード契約数の割合は、宮城県が54.5%で1位。神奈川(51.3%)、東京(45.6%)、滋賀(43.7%)と続く。最下位は沖縄と鳥取の15.7%。

 この数字からは、Lモードがまだ「ニッチなサービス」であることが分かる。携帯電話は、ここ最近になって伸び悩みや市場飽和が指摘されるようになったが、それは数千万台レベルでの話。Lモードは、この段階で既に頭打ちになってしまったのだろうか?


目標の10分の1しか達成していないとは思えないほど、陽気な内容に仕上がっている「LモードPress」。独自取材による『販売の現場は知っている!「Lモード対応端末が売れている」理由』は力が入っている。このビックカメラの店員は、「デジカメの画像を表示できる機器が出てくるとユーザー層は確実に広がる」と分析している。Lモードもカメラ付きになる?

 NTT東西は、そうは考えていない。「契約数5万件の突破に約半年かかったが、10万件突破にはそこから3カ月、さらに2カ月で15万件を超えた。家庭への普及が本格化してきた」と成長率が大きくなっていることを強調する。さらに、「Lモード端末は家族全員で利用するのが特徴。契約件数が世帯数を示しているとすれば、さらに多くの人がLモードを利用していると考えられる」と新しい“指標”まで打ち出している。NTT東西によれば、カラー液晶搭載端末の増加、店頭での実売価格の下落などの要素が、Lモードの普及を促進しているという。「Lモード対応機と非対応機の間には、実売で5000円〜2万円程度の価格差があったが、最近ではその差はどんどん縮まっている」(Lモード推進室)。

 NTT東西では、固定電話の買い換え需要のできるだけ多くをLモードに取り込みたい考え。ただ、ブロードバンドの普及により、IP電話が広まってくると、従来の圧倒的なシェアを背景にした囲い込み戦略が成り立たなくなってしまう可能性もある。そうなると、Lモード対応端末がますます苦しくなってくることも予想される。これについて同社ではこう強気に反論する。「IP電話が普及しても、従来の電話器がすべてなくなるわけではないだろう。その残りをLモードがカバーする」(同室)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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