Mobile:NEWS 2002年7月3日 02:33 PM 更新

iショットの秘密〜富士写の技術で画質向上

ドコモのカメラ付き端末から、画像付きメールを送るときに必ず利用するのが「iショットサービス」だ。実は、画像を補整し、送り先の端末に合わせてサイズや画質を調整するという富士写真フイルムの技術「pixabase2」が使われている

 「返信できない」(5月28日の記事参照)「送信に失敗しても料金がかかる」などの問題はあるが、iショットには大きく評価すべきことがある。それは通信キャリア自らが、全キャリア対応の画像変換システムを運営していることだ。しかも、送信の際には相手の端末に合わせて画像サイズや画質の調整を細かく行っている。

 基本的には、J-フォンの写メールはJ-フォン端末に送ることを、auの「A3012CA」はau端末とJ-フォン端末に送ることしか想定していない。それに対して、NTTドコモのiショットは、iモード端末はもちろん、J-フォンやau端末への送信も考慮したつくりになっている(5月29日の記事参照)。

 当然、“iモードでは変換サーバを通してWeb形式にしないと画像を受信できない”のが、iショットサービス運営の最大の理由だろう。しかし、その制限を逆手に取って、相手先端末に合わせてサイズや画質の調整を行うという“ドコモならでは、の差別化”を行ったわけだ。

富士写真フイルムの「pixabase2」がiショットに

 この細かな画像変換を行っているのが、富士写真フイルムが開発した「pixabase2」だ。iショットサーバに送信された画像はひとまずpixabase2に送られ、画像サイズの変換や画質調整が行われ、相手先に届けられる。

 これらの処理は「宛先によって分けている」と富士写真フイルム電子映像事業部開発部の沢野哲也氏は説明する。iモードからURLをクリックしたときに表示される画像は、端末によってサイズも画質も異なっている。例えばiモード端末で通常使われるのはGIF形式の画像だが、「N504i」などJPEGに対応している端末で閲覧した場合、JPEG画像が表示された。

 画像サイズの変更も自動で行われ、例えばJ-フォン端末に送る場合には相手が確実に受信できるようサイズを小さくする処理が行われる。

 画質も、撮影条件などを判断して自動的に補正が行われる。「蛍光灯の下では青みがかかる、白熱灯の下では赤みが出る。pixabase2がそれらを自動的に補正する」(沢野氏)。撮影が暗い室内であっても、明るさが自動的に補正されるわけだ。


左はオリジナルの画像。pixabase2によって変換すると、右画像のように補整が行われる

 pixabase2は、J-フォンの画像配信サービス「J-SKY Photo」に採用されているのをはじめ(2000年12月の記事参照)、ASPサービスである「Keitai Picture」にも活用されている(6月25日の記事参照)。

 Keitai Pictureはユニクロ、朝日新聞、ツタヤオンライン、ガリバーインターナショナル、ニッセンなど多くのコンテンツプロバイダーの画像配信システムに採用された。端末ごとに色の補正なども行うため、画面で見た色の再現性が増し、「ニッセンでは、(Keitai Pictureの採用で)返品が減ったと聞いている」(沢野氏)といった効果を上げているという。

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[斎藤健二, ITmedia]

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