Mobile:NEWS 2002年7月11日 11:07 PM 更新

シャープのLinuxザウルス「SL-A300」ファーストインプレッション(1/2)

シャープの新しいザウルスは「データビューワ」という位置づけのLinuxOS搭載機だ。注目される「ザウルスショット」「ザウルスドライブ」機能を中心に、その使用感をお伝えしよう

 8月上旬に発売予定のシャープ製LinuxOS搭載ザウルス「SL-A300」(6月24日の記事参照)。PCとのデータ連携を重視した「コンテンツビューワ」としての使用感を試してみた(なお、試用した「SL-A300」は開発途中のものであり、製品版とは異なる場合があることをご了解頂きたい)。

 SL-A300は、IntelのXScale PXA210/200MHzを採用し、64Mバイトメモリ(ユーザーエリア約23Mバイト)を搭載している。PC上の画像をボタン1つでキャプチャしてザウルス本体に取り込める「ザウルスショット」、PCのデスクトップにマウントさせて外付けHDDのようにファイルをやりとりできる「ザウルスドライブ」といった、Windows環境との親和性の高さが特徴だ。

ザウルスショット、ザウルスドライブの使用感は

 ザウルスショットやザウルスドライブは、PCと「SL-A300」をUSBケーブルで接続し、TCP/IPを利用してデータを転送する。PCとザウルス間がネットワーク接続されるわけだ。そのため、接続さえしてしまえば、後は特に意識することもなく快適に利用できる。

 ザウルスショットのプログラムは、起動するとタスクトレイに常駐し、SL-A300の電源を入れることでWindowsはネットワークコンピュータとしてSL-A300を認識する。ザウルスショットのアイコンがカラーに変れば接続完了だ。

 これだけの操作で、後はキーボードのPrintScreenボタンを押せばPC上のアクティブウィンドウを、Alt+PrintScreenを押せばPC画面上の任意の範囲を、それぞれザウルス本体に取り込むことができる。

 このザウルスショットの画像転送機能は、付箋の画像版といった感覚。ユーザーが画面の取り込みたい部分を選択できるし、取込み速度も比較的速いから、PC上の情報をメモとして手軽に持ち出すのに便利だ。

 ザウルス本体に取り込まれた画像のデータサイズは、1024×600ピクセルのJPEGで90Kバイト程度。標準設定では自動的に圧縮されたJPEG形式になるが、SL-A300上での閲覧にも支障はなかった。

 画像転送以上に実用性が高いのは、テキスト転送機能。画像だけではほかのアプリケーションとの連動は難しいが、テキストデータとして取り込めば、予定表やToDoや、アドレス帳などにコピー&ペーストできるなど、活用範囲が広いからだ。操作はPC画面上のテキスト部分を選択し、F11キーを押すだけ。これでテキストをザウルスに送ることができる。

 この操作も全般に快適。ただし欲をいえば、ザウルス「MI-E25DC」に搭載されたメールクリップ機能のような、コピー&ペースト操作を簡単にする支援ツールがほしいところだ。

 ザウルスドライブは、タスクトレイのザウルスショットのアイコンを右クリックし、そこでメニューから起動する。するとザウルスドライブのウィンドウが開き、「SL-A300」内のデータが表示される。SDメモリカードが「SL-A300」に装着されている場合は、ザウルスドライブのウィンドウに本体メモリと共に表示される。あとは通常のドラッグ&ドロップ操作で、PCと「SL-A300」間でファイルのやりとりができる。こちらもレスポンスはよく、操作は快適だった。

ザウルスショット、ザウルスドライブは、キラー機能となるか?

 PCからザウルスに転送されたテキストと画像データは、取り込んだ日付(作成日付)で管理されており、取り込み画像のファイル名も自動作成される。これはカレンダーソフトの「ファイル」フォルダにも自動的にリンクされ、カレンダーにタブ表示される「予定(スケジュール)」と「ファイル」からひと目で参照できる。


取り込んだ画像は「イメージノート」というアプリから閲覧できる(左)。取り込んだデータは日付で管理され、「カレンダー」アプリの日付からもアクセスできる(右)

 取り込んだデータを別の日付に移動するのは、カレンダーの「ファイル」タブ内の画像・テキストデータをタップ&ホールドすると開くメニューから行う。

 SL-A300では、カレンダーから取り込んだファイルや予定を管理できるため、例えば日々の営業データや、作業工程といったデータ管理が行いやすい。「予定」を分かりやすい件名で登録しておけば、検索機能から画像などを探しだすこともできる。

 個人で使う場合でも、その日行きたい店の画像とテキストデータをあらかじめ取り込み、予定として登録しておけば、行った店の画像とデータが記録された日記ができあがるといった使い方が考えられる。“予定”に登録さえすれば後からの検索も容易なので、簡易データベースのように利用できるのだ。

[庄司恒雄, ITmedia]

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