Mobile:NEWS 2002年7月17日 03:48 AM 更新

今度は3ステップで地図表示〜KDDIのコンテンツ戦略

第3世代への移行が好調なau。1x対応ムービーケータイ、動画メール対応端末の市場投入、3ステップで地図表示を可能にするランチャーの搭載など、auならではの機能を生かした新戦略が語られた

 WIRELESS JAPAN 2002のカンファレンスにKDDIコンテンツビジネス部の高橋誠氏が登壇、CDMA2000 1xの現状、新サービスの方向性について語った。

位置情報を簡易に表示できるランチャーを搭載

 GPSケータイは7月現在で公式コンテンツが81サイト。位置情報案内だけでなく、「ココセコムEZ」といった本格的なセキュリティサービスから「シーマン」のようなコミュニケーションのスパイスとしての利用まで、応用範囲が広がっているという。

 ユーザーからの高い支持を得ているGPS機能だが、一方で「使い方が難しい、ロケーション情報を取ってくるのに時間がかかる」(高橋氏)といった問題点も指摘されている。KDDIでは測位時間の短縮を図り、直観的なインタフェースとして、待ち受け画面から3ステップで地図表示が可能なランチャー「eznavigation」を搭載するという手段で今後解決に当たるとしている。


GPS機能への素早いアクセスを可能にするランチャー「eznavigation」

 今後、GPSを利用したKDDI独自の運行管理ASPサービスや、Javaアプリをショートメッセージから起動させるサービスも提供予定。「センター側からコンテンツプロバイダがメール送信してプッシュするとJavaアプリが立ち上がり位置情報を測位してセンター側に流す。これがGPSの利用に結びつく」(高橋氏)。

 これまでは、ココセコムEZ以外の端末では、センターから端末の位置情報を取得できなかったため、GPSで営業マンを管理したり、運行中のトラックの位置を常に補足するといった利用ができなかった。今回の対応で、端末を持っている側が了解していれば、端末側の位置情報をセンター側が取得できるようになる。高橋氏はコンシューマーに向けたセキュリティとB2Bに向けたセキュリティは異なるので、ユーザビリティを考えた上でサービスを展開するという。


ネットワークからのアプリ起動概念図

1x対応ムービーケータイも“近々”発表

 昨年12月にサービスが開始されたムービーケータイは、音楽や映画、ニュース情報などのエンタテインメントが、7月現在で116コンテンツ揃っている。現在は対応端末が1機種のみだが、夏に投入予定といわれていた1x対応ムービーケータイを近々発表するという。

 動画のメール送信対応も既に表明済みだ(6月17日の記事参照)。「当然、次に手がける動画端末については動画をメールで送れるように考えている」(高橋氏)。

 ムービーケータイには「画像がきれいで面白い」といった声がある一方、「コストが高い、動画が送れないといった点が指摘されている」(高橋氏)。コスト面では、現在お試し期間で行っている高速オプションの無料化や、セット料金の改訂が既に発表されている(7月11日の記事参照)。

GPSのマスタークロックを利用した著作権保護も

 高橋氏はコンテンツ開発を促進するための3つのプランについて説明した。

 1つはGPSのマスタークロック機能を利用した「著作権保護スキーム」。cdmaOneはGPSからの時間信号を利用して通話を成り立たせるため時刻にずれがないことが特徴。これをコンテンツ配信時の著作権保護に利用するという。「今後、音楽や動画を配信するにあたって必ず必要になるのが絶対時計。例えば新作映画の封切り前に出してはいけないコンテンツが封切り前に出てしまうという間違いがない。CMなどでも、タレントとの契約上が3月末までだったらそれ以降は有効期間が終了するといったことに対応できる」(同氏)。

 2つ目は「モバイルコマースプラットフォーム」。KDDIが持っているスーパーワールドカードというプリペイドカードがECのプラットフォームとしても使えるため、「携帯電話との連携も考えられる」(同氏)と話す。

 3つめは、「『Fixed Mobile Covergence』を意識した課金システム」。携帯電話と連動したコンビニ決済の実現や、同社が電子商取引を行う企業向けに提供する決済ゲートウェイサービス「ペイカウンター」の推進に力を入れていくという。

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[後藤祥子, ITmedia]

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