ドコモ、iモードと3Gのグローバル戦略を語る今後の移動通信の発展は「音声から非音声」「動くものすべてへ」「国内から海外へ」の3つが軸だと話すドコモの立川社長。グローバル展開は、3G戦略と合わせて進めていく
音声通話依存から、データ通信利用へと変化しつつある移動体通信市場。ドコモは「音声から非音声」「動くものすべてへ」「国内から海外へ」という3つを軸として移動体通信を発展させる方向性だ(2月8日の記事参照)。 WIRELESS JAPANのカンファレンスに登場したNTTドコモ社長の立川敬二氏は、ドコモのグローバル化戦略および3G戦略について語った。
NTTドコモ社長の立川敬二氏 グローバル化について「本来の目的は、国内だけで使うのではなく世界中どこに行っても自分の端末を使えるようにしようということから始まった」とNTTドコモの立川敬二氏。3Gは“世界中どこでも”を実現させるため、世界標準の確立を目指したというが、「現状5つの方式が世界標準に指定されている」(立川氏)。
IMT-2000の標準方式はW-CDMA、CDMA2000、CDMA TDD、Single Carrier FDMA/TDMAの5つ。実際採用が決まっているのは「W-CDMA」「CDMA2000」の2つで「この2方式の陣取り合戦になるだろう」(立川氏) ドコモが3Gの通信方式として採用しているのはW-CDMA。この通信方式が、できるだけ多くの人に使われるようになれば利便性が上がるだろうという考えから、「海外に出ていってパートナーを作っている」(同氏)。同じW-CDMAが主流の欧州通信キャリアと組んで標準化作業を進めてきており、ヨーロッパではどこに行っても自分の端末でサービスを受けられるようになるのは確実と自信を見せる。利用ニーズが多い米国でも「AT&Tと組んでやっていく」(同氏)。 通信方式の推進だけでなく、iモードサービスを海外で積極的に展開するのにも理由があると立川氏。「音声利用だけならローミングで済むが、マルチメディアサービスの提供となると、プロトコルやソフトウェアが違うと使えないし、言語も合わせなければならない」(同氏)。それを解決するにはかなり緊密な関係を作らなければならない。その例として「iモードを世界的に展開し、同じサービスが使える状況を作ってみようというのが現段階での作戦」(立川氏)。 海外のiモード商用サービスは2002年度から本格的に開始され、3月にはドイツ、4月にオランダ、6月に台湾でも利用できるようになった。「ベルギーで今年の9月頃には商用サービスを開始する予定。フランスやアメリカでも準備を進めている」(同氏)。
3Gインフラの充実を目指すドコモだが、マルチメディア化やユビキタス化する世の中では、さらなる通信速度が求められていると立川氏は分析する。現状は第2世代に比べて40倍程度の通信速度だが、「100倍ないし200倍にしようと考えていた」(立川氏)。世界に先駆けてドコモでは第4世代のシステム開発も開始され、おおよその条件が揃ってきたという。「無線のキャリア速度としては100Mbps、1利用者当たりの情報速度は20Mbpsぐらいを用意すればいいのではないかというところで技術開発を進めている」(同氏)。 また、7月に商用サービスが始まった公衆無線LANサービス「Mzone」(6月20日の記事参照)の位置づけにも言及。3GのFOMAだけでは無線LANサービスとしては不十分なため、無線LANとFOMAとの補完関係によって、どこでもPCを使えるようにしようというのが狙いだと話す。「無線LANがないエリアではFOMAを使うといった補完関係が成り立つ」(立川氏)。また今後は無線LANを4G、5Gに統合した形で考えるべきだという。 現状ではあまり好調といえないFOMAについては「今後20年かけてじっくり成長していくもの」とし、長く使えるサービスとして確実なものにする方針だ。当面はいろいろなサービスを展開していく。「映像付きメールの実現も視野に入れている」(同氏)。 関連記事 先の見えないFOMAの国際ローミング──立川社長基調講演 岐路に立つ3G。進む道は1つではない NTTドコモ、公衆無線LANサービス「Mzone」を7月開始 ドイツ・オランダ・ベルギーでiモードサービス開始 iモード、海外進出の行く末は…… iモードは海外でもヒットする――ドコモ取締役、榎氏 アジアを狙うドコモ、来年には台湾進出 ドコモ、香港電話事業に追加出資 ドイツでiモードは売れていない?──「n21i」を現地調査 [後藤祥子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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