Mobile:NEWS 2002年8月21日 08:49 PM 更新

「N504i」の日本語入力を解剖する(2/3)


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読みの候補を大幅に増やす“言い回し”

 日本語には単語のあとに付く付属語、いわゆる“てにをは”があり、T9の読み辞書にはこの“てにをは”付きの読みが登録されている。例えば「精細」という単語は「精細な」「精細に」「精細ね」「精細の」のように使われるが、T9ではいずれも「さあさあな」で入力することになる。「さあさあ」だけなら読みは43種類で済むが、「さあさあな」では67種類に増える。それだけ選択肢が増えて面倒になるということだ。


「さあさあ」の読み候補(左)。「さあさあな」の読み候補(右)

 同音語を増やすのは付属語だけではない。「笑う」に対する「笑った」「笑えば」などの活用形、また「〜そうな」「〜だね」「〜だし」「〜でも」といった“言い回し”の多くが読み辞書に登録されている。例えば、「置いてたの」「ウェットな」「生い立ちに」はいずれも「ああたたな」と入力することになるが、このとき表示される読みは169種類にもなる。とても選べるものではない。

 もっと強烈なのは末尾が「〜だな」の場合だ。多くの単語に「だな」「だに」「だね」「だの」「でな」「でね」「での」がつながるため、さまざまな組み合わせが登録されている。「結果だな」「来たけどね」「コックだの」に対応する「かたかだな」には実に307種類もの読みがあった。ほかにも「〜ただな」(「あきただな」で読み200)、「〜ななな」(「あきななな」で読み178)、「〜たたな」(「あきたたな」で読み164)など読みの数を爆発的に増やす組み合わせがいくつかある。

どうすれば読み候補を減らせるか

 N504iには3行の読み候補表示エリアがあるが、それでも100以上の候補から読みを選ぶのは現実的ではない。読み候補は頻度順に並んでいるため、並びに規則性がないからだ。1画面に表示される候補数も、2文字で15個、3文字で9個、4〜6文字で6個の候補を表示可能なN504iの解像度は最低ラインであって、これ以下の解像度では実用的な候補選択は難しい。

 いずれにしても、1回の入力で表示される読み候補を減らさない限り、日本語T9で快適な入力を行うのは無理な相談だ。それではどのような使い方をすればよいのだろうか?

読みを調整して組み合わせ数を減らそう

 T9ではカーソルまでの文字が読み検索の対象になる。カーソル以降の文字についても後から検索することが可能だ。したがって、読み候補を入力してからカーソルを戻せば2回に分けて読み候補を選べる。

 「結果でね」と変換したくて「かたかだな」と入力したら、前出のように307種類の読みが表示されてしまった。これではとても選べないので[左]ボタンを2回押す。すると「かたか」の候補が60個に減り、しかも1画面に9個の候補が表示されて選ぶのが楽になる。


「かたかだな」の読み候補(左)。「かたか」の読み候補(中)。「だな」の読み候補(右)

 ここでは読みを短くして候補数を減らしたが、逆に読みを伸ばすとうまくいくこともある。読みの末尾が“言い回し”にならなければよいのだ。例えば「当たったこと」と変換したいとき、「あたたた」だけでは「あたった」のほかに「うちつつ」「いたとて」などの候補が表示され、候補数は101になる。これを「あたたたかた」まで入力すれば、「〜こと」のほかに「〜てきた」「〜てきて」などの候補も増えるが、「〜つつ」や「〜とて」などの候補はなくなるため、候補数は48に減る。


「あたたた」の読み候補(左)。「あたたたかた」の読み候補(右)

 読みはまず長めに入力しておき、候補数が多すぎるようなら[左]ボタンで適当なところまで短く切って選択するのを繰り返すのがベストのようだ。

 ただし、この方法がうまくいくのは読みがT9の辞書にある場合に限られる。辞書にない読みを入力するにはどうしたらよいのだろうか。

[太田純, ITmedia]

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