Mobile:NEWS 2002年9月2日 07:11 PM 更新

Pocket PC「musea」ファーストインプレッション(2/2)


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携帯性に優れたこだわりの薄型アルミボディ

デザイン面で見た場合本製品の特徴は、やはりアルミの素材感を活かしたボディだろう。前面、背面はもちろんボタン類もアルミの削り出し風で、渋めなモノトーンのデザインに仕上がっている。厚みは14.8ミリ(最薄部)と現行Pocket PCの中では最も薄いが、強度的な不安はない。

携帯性を損なうことがない開閉式カバーも特徴の1つ。閉じておけば電源スイッチとディスプレイ部を保護する形になり、そのままポケットやカバンに放り込んでおける。プログラムボタンによる起動も無効にできるため、勝手に電源が入ってしまうこともない。


カバーを閉じた状態、開けた状態。電源ボタンとディスプレイ部はすっぽりカバーされる。カバーを閉じても上部中央のインジケータは見えるようになっている


右が初代「iPAQ Pocket PC」、左が「Pocket LOOX」。museaはわずかに縦が長いが、その分、幅は狭い

 このカバーは上部のCFスロットと干渉しないように150°程度しか開かないようになっており、通信カードを挿したままでもカバーを開いて利用できる。またこのカバーは150°以上開くと簡単に外れるようになっている。


P-in memoryを差してカバーを開けてもこのようにアンテナ部がぎりぎり干渉しないようにできている

シンプルなハードウェアと独自の操作性

 ハードウェア構成はシンプルだ。CPUはStrongARM/206MHz、ディスプレイは3.5インチ、拡張スロットはType II CFカードスロットのみ。側面にボタン類などは一切なく、前面にも4方向キーと4つのボタンだけだ。

 CPUこそ最新のARMプロセッサPXA250ではなくStrongARMだが、現時点デメリットとは言い切れない。OSやソフトウェアの多くが現時点ではPXA250向けにチューニングされておらず、PXA250とStrongARMはほぼ同等程度の実処理能力となっているからだ。


上面にCFスロットとスタイラスホルダー、イヤホンジャック、左側面に赤外線ポート、ACジャック、バックアップバッテリーカバーが並ぶ。右側面には何もない

 前面にある4方向キーと4つのボタンは、機能面ではほかのPocket PCと少々異なる。決定キーは4方向キーのセンターではなく、左上のボタンなのだ。薄型ボディでは十分なストロークと操作性が確保できないので4方向キーと決定キーを分離したという感じだろうか。

 押し間違いが(決定キーのつもりで上下左右キーが反応してしまう)ないという意味では、使い勝手は悪くない。4方向キー、ボタンともにストロークは決して深くないが、サイズは十分確保されている。ただし4方向キーはアクションゲームなどを楽しむには少々不向きといえるだろう。

 プログラムの呼び出しに利用できるボタンは3つとほかのPocket PCより少ないが、決定キーとの同時押しも含め、最大6つのプログラムを前面のボタン操作だけで呼び出せる。なお、同時押しは両手でないと操作しにくい。


アクション(決定)キーとの同時押しにもプログラムを割り付け可能。計6つのプログラムをボタンで起動できる


前面のボタンによる電源オンを無効にもできる。前面カバーと併用すると、そのままでカバンに放り込んおいても勝手に電源が入ることはまずない  ディスプレイのフロントライトの明るさは消灯を含めて5段階。未操作時の消灯までの時間も15秒〜5分の間で調整できる。バッテリー動作時とAC接続時は個別に設定が可能で、電源ボタンの長押しで強制的にフロントライトをオン/オフできる。

ドコモユーザー専用ではもったいない

 製品の位置付け上、仕方ないことだが、通信手段がドコモの携帯電話、PHSに限定されるのはやはり残念。また、拡張スロットはCFのみで、それ以外の拡張スロットを増設するジャケットも提供されない。今やPocket PCでは当たり前となった大容量バッテリーもないなどの点は、ヘビーユーザーには少々不満が残るだろう。

 しかし、ケースレスでのスマートな携帯を意識しているデザイン面の魅力は大きい。Pocket PCではビジネスユーザーを意識した感のあるデザインが多く(Pocket LOOXという例外はあるが)、museaはデザインによる選択肢を広げてくれる。

 また大容量バッテリーこそ提供されないものの、付属のACアダプタはコンパクトで、長期間の旅行や出張でも持ち運ぶのが苦にならない。


左が付属のACアダプタ。端子は収納式でかなりコンパクトだ。右は付属のクレードル。円形でブルーのトランスルーセントとデザイン重視だが、座りもよく本体の着脱も容易。接続ケーブルは固定式で、取り外してPCと本体をダイレクトに接続することはできない

 本製品には価格面の期待をするユーザーも多いだろう。本製品はそれ自体で利益を得るというよりは、ドコモの携帯やPHSをより利用してもらうための製品といえるからだ。一部予約を開始しているショップでは3万9800円という価格設定で、ドコモの携帯、PHSユーザーには魅力的な選択肢になりそうだ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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