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2002年9月6日　01:48 AM 更新

富士通「らくらくホンII」〜年配のケータイ初心者に人気の秘密

電話が鳴ったら次の操作を画面で表示、メニューやメールを読み上げて、文字は大きな20ドット──ケータイ初心者向けに開発された「らくらくホンII」が年配ユーザーに人気だ

　9月15日は敬老の日。携帯電話を使ってみたい年配ユーザーにお勧めなのがドコモの「らくらくホンII」シリーズだ。携帯電話の機能が複雑になっていく中で「誰にでも簡単に使える携帯電話が欲しい」というニーズが高まったことから開発された製品。携帯電話の初心者向けという位置付けだが、大きな文字で見やすいことから年配ユーザーに人気が高いという。

　昨年の9月に富士通製の第1号機となるストレート端末「F671i」（8月27日の記事参照）が登場。開発に当たっては「画面の見やすさ」「ボタンの押しやすさ」「機能の簡素化」を意識したと、富士通モバイルフォン販売推進部の坂本秀幸氏は話す。表示される文字を20ドットと大きくし、「不在着信」「リダイヤル」などの携帯電話特有の言い回しを「電話してきた相手を見る」「かけた電話にかけなおす」のような普通の言葉に置き換えるといった工夫がなされている。メニューも、階層が深くなると目的のメニューにたどり着きにくくなることから「階層を減らし、利用頻度の高い項目から順に並べている」（坂本氏）。

昨年9月に発売された富士通製の第1号機「F671i」。らくらくホンとしての第1号機は1999年に発売された松下製の「P601es」だ。「F671i」は、よくかける相手先を3つまで割り当てられるボタンがあり、背面には音声読み上げをサポートするボタンも

20ドットの画面表示。メニューの横のめがねアイコンは、中の階層の文字が小さくなっていることを示す。着信メロディには「与作」がデフォルトで入っている

　面白いのは音声によるガイド機能。メニュー上で3秒ほどカーソルをそのままにしておくと、その機能を音声が読み上げ、どのように操作すればいいかを指示してくれる。着信したメールの読み上げにも対応、もう一度聞きたいときは、背面にある「音声読上げボタン」を押せばいい。

背面に付いている「音声読上げボタン」

　F671iは40代以上のユーザーを中心に100万台を販売。9月5日にはかねてから要望が高かったという折りたたみ型の新モデル「F671iS」（9月2日の記事参照）が発売された。

ユーザーの声を反映させた「F671iS」

　F671iSは、折りたたみ型になったことで、液晶が2.1インチと大きくなった。従来機種ではiモードの表示や1部機能の設定時など12ドットの小さい文字で表示されていたところを改善し、すべての画面で20ドットの文字が表示されるようになった。「iモードを20ドットの文字で表示させるため、液晶は特別に作っている。ほかの携帯電話でiモードを20ドットの文字で見られる端末はない」（坂本氏）。ワンタッチボタンを液晶下部にレイアウトしたため、液晶画面は正方形だ。

9月6日に発売された「F671iS」

背面液晶を備え、液晶の下によくかける電話番号を割り当てられるボタンがある

iモードも20ドットで表示

　ほかにも「押した数字キーを音声で伝える」「音声の速度調整」「作成したメールを読み上げる」といった機能はユーザーの要望に応えて搭載された機能だ。

　新たに搭載された背面液晶は、20ドットの情報を3行表示できる120×60ピクセルのモノクロ液晶。「着信」「メール」などの情報が表示され、その状態で端末を開くとメイン液晶に操作方法がイラストで表示される。「例えば背面液晶に『着信』の知らせが入るとメイン液晶にどのボタンを押せば対応できるのかが表示されている」（坂本氏）。操作が済んだらガイド表示は消えるようになっている。

背面液晶で着信を確認し、メイン液晶を見ると操作方法がイラストで表示される

操作に迷った時はガイドボタンを押せば操作方法がイラストで表示される

音声読み上げボタンは本体右側面に、ボリュームダイヤルは左側面にある

　ボタンの操作ではなく、メニューキーを長押しして音声認識で電話帳やメニューを呼び出せるのも新しい機能。PCなどでは自分の声の特徴を覚えさせる必要があるが、F671iSは不特定話者に対応しているため、買ってすぐに音声認識機能を使えるようになっている。

ユーザー全体のスキルを底上げしたい

　富士通モバイルフォン販売推進部の高橋知彦氏は、らくらくホンの使命を「ユーザー全体のスキルを底上げすること」だと話す。「らくらくホンを足がかりにして、504iでiアプリをごりごり使うおじいさんやおばあさんが出てきてほしい」（同氏）。

　携帯電話を使いたいと考えている年配のユーザーは多く、そうした層は機能の使いこなしにも意欲的だという。「モチベーションの高い初心者ユーザーが入っていきやすく、慣れ親しんでもらえるようなアプローチで開発を進めている」（同）。

　新しいらくらくホンが発表されてから、「ドコモショップで聞いたのですが新しいらくらくホンが出るそうですね。音声機能が楽しみです」という年配ユーザーからの電話がさっそくかかってきたそうだ。

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[後藤祥子, ITmedia]

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