Mobile:NEWS 2002年9月11日 02:09 AM 更新

J-フォンの3G、試験サービスの様子をちょっと見てみよう

12月の本サービス開始に向け、J-フォンの3Gで試験サービスが行われている。その模様と、提供されている端末の出来具合について紹介しよう

 J-フォンの3Gの試験サービスは6月30日からスタートしたものの、端末の配布は順次行われ、「6月30日の時点で端末が提供されたのは一部の人。8月中にほぼ全部の人に行き渡った」(J-フォン)。その試験サービスでモニターをしているユーザーの1人は、8月半ばに届いた端末を「電波の入るところでは音がすごくきれい」だと評価する。


J-フォンの3Gサービス試験端末「J-N001」

 インフラから全く新規のものとなる3Gサービスは、基地局などのネットワークの構築状況も気になるところだ。

 試験サービスのエリアはほぼ国道16号圏内とされているが、現在はまだ穴もある。12月の本サービスのエリアとされる首都圏および主要都市のカバーに向けて、作業が急ピッチで進められているところだと思われる。「2003年の8月までに(3Gを)PDCと同じようなエリアカバー率にする」予定だけに、エリアの拡大スピード、基地局密度の向上が気にかかるところだ。

 しかし、試した限りでは、ドコモの試験サービスのときのような「都心の中心部なのにほとんどつながらない」(2001年6月の記事参照)という状況はなく、通話の途切れも目立たなかった。あるユーザーによれば「ここ数日で電波の状況が明らかによくなった」らしい。「時々(混線したかのような)ノイズが載る現象もすっかりなくなり、通話がほぼ途切れず良好な音質で通話できるようになった」のだそうだ。

 実際、編集部のある赤坂で、NTTドコモのFOMAとならべて試してみたところ、FOMAが通話できない部屋でもJ-フォンの3Gでは通話可能だった。サービスエリアの広さは異なるが、エリア内の密度という意味では、J-フォンの3Gは試験サービス段階というのに頑張っている印象だ。


FOMA同様、「USIMカード」を差し込んで利用する(左)。このUSIMカードを専用のGSM端末に差せば、電話番号はそのままで海外でも利用できる(イギリス、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスの各Vodafoneグループキャリアにて)。画面右では、FOMAの「FOMAカード」(青いもの)と並べてみた。形状は同じだが、接点数などは異なる。当たり前だがカードを入れ替えての利用はできない


3Gサービスのエリアマップ。12月までに国道16号内は網羅しようという計画だ。J-フォンは3G向け設備投資として2002年度で3000億円を予定している

 では、端末の出来はどうだろうか(以下、あくまでも試験サービス用の端末の話である)。

 最大の懸念材料である電池の“もち”は、この端末を見る限り、やはり厳しいようだ。「朝、フル充電で持っていっても、1日10分、20分使ってしまうと夜まで持ちません」(モニターユーザー)。「J-SA001」のユーザーからも、「待ち受けで6、7時間と、異様にバッテリーのもちが悪い」という声も届いている。試験端末である「J-N001」のスペック表には連続通話時間、連続待受時間が記載されておらず、チューニング中であることが分かる。

 また試験サービスでは、J-スカイやメールなどのサービスは利用できず、J-SA001で予定されていたデータ通信サービスも延期するなど、インフラの調整が中心。具体的な“3Gならでは”のサービスが見えないところには不安もある。

 さて、J-N001のボディは、「FOMA P2002」とそっくり。ただし中身は大きく異なるようだ。背面には「J-フォン/Vodafone」のロゴと共に「QUALCOMM 3G CDMA」のシールが貼られており、「世界基準を守ることでコストダウンを図る」というJ-フォンの戦略の一端が垣間見える(7月17日の記事参照)。


写真右は「FOMA N2002」と並べたところ。デザインが少々異なる以外、ボディはほぼ同一。電池や充電器も共用できた


メニューは、現在の画面に被さるようにアニメーションして表示される。現在の機能を終了することなく新たな機能を起動でき、立ち上がっている機能はタブで表示される。なかには、「この機能は現在使用できません」と試験サービス端末らしい表示も



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関連リンク
▼ J-フォン

[斎藤健二, ITmedia]

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