“夢の携帯”ってどんなもの?ソニーが展示した未来の携帯のコンセプトモックは、“機能”よりも、その“形状”が実に独特。折りたたみ型ばかりになってしまった携帯電話に、斬新なデザインは現れ得るのだろうか
先週のアクセスランキングでトップを飾ったのは、ソニーが展示した“未来型携帯”のコンセプトモック。
この棒のような端末は、長さが20センチ程度。特徴的なのは、現在の携帯電話で必須なディスプレイやダイヤルボタンを省いていることだ。これは、現在の携帯電話がデザイン面で陥っている「罠」を端的に表しているのかもしれない。
折りたたみ型が主流の現行端末だが、デザインの自由度はさらに小さくなっていく傾向にある。例えばボディ背面を見てみよう。 まず、カメラは必須だ。さらに1インチ大のカラー液晶も要求される。ハイエンド端末には撮影補助用のライトやフラッシュも欲しい──。実は、カメラの位置を背面以外に動かすのは難しい。快適に写真を撮るには、液晶に正対した位置に配置する必要があるからだ。ハイエンド端末で今後必要な装備になっていくメモリカードスロットも、薄型化のためにはバッテリーが入っているダイヤルキー部を避けて、液晶部に入れる必要がある。使い勝手を考えたら、赤外線インタフェースも目立つ位置に配置したい……。 これらの機能増加の結果、“独特な”携帯のデザインは難しくなっていく一方だ。自然とデザイン上の大きな差別化も難しくなる。例えば、au向けソニー端末が採用しているような「着せかえパネル」も、フルスペック端末ではけっこう難しいことが分かるだろう。 504iの段階でも、各端末メーカーは口々に「背面に搭載しなくてはいけない機能が多くてデザインに苦労した」と話していた。その上、カメラと背面カラー液晶を搭載した504iSがどんなデザインになるのかと思うと、少々怖いところさえある。 結局、斬新なデザインを実現するには、1)背面ディスプレイやフラッシュなどの機能をある程度あきらめるか 2)全く新しい入出力インタフェースを実用化するかしか方法がなさそうだ。 こう見ると、ソニーのコンセプトモックの割り切りが光る。大型ディスプレイやダイヤルキーの代替機能として、プロジェクター投射や3Dジャイロによる入力方法を採用。従来通りのディスプレイとキーボードをあきらめただけで、ここまで斬新なデザインが可能になるわけだ。 それでいて、機能的に劣っているという印象はさほど受けない。昨今展示された“未来デザイン”の携帯が、「携帯にはディスプレイとキーボードが必要」という思い込みからなかなか抜け切れていないのとは対照的だ。 もちろん、従来の慣れたインタフェースを変更するのは簡単なことではないだろう。技術面での革新も必要だ。しかし行き詰まりつつある携帯のデザインに、新しいヒントを提示して見せた点で、このコンセプトモックは大きな意味があるのではないだろうか。
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