Mobile:NEWS 2002年10月2日 09:33 AM 更新

あなたの一票が次期端末に〜三洋3G携帯

これは三洋の新型ビデオカメラ? いや新しい3G端末のモックアップです──。CEATECの三洋ブースでは、次期3G端末に“なるかもしれない”コンセプトモックを多数展示。来場者のアンケートを開発の指針にするという

 三洋はCEATEC JAPAN 2002のブースでちょっと面白い取り組みを行っている。現実感のある3G端末のコンセプトモックを複数展示し、来場者のアンケート結果を開発の指針にするというものだ。

 「デバイスチームなどの開発の状況も鑑みて、実現できる機能と形状を表現した」と担当者。アンケート内容はかなり細かなものだが、ここで記入した要望や“この端末を実現してほしい!”という一票が、三洋の次期端末の姿を決めると思うと、握るペンにも力が入るというもの。

一見ビデオカメラ──100万画素CCD搭載の「ビジュアルタイプ」


 一見、超小型のビデオカメラと見まがう形状なのが、「ビジュアルタイプ」。折りたたみ型のヒンジ部に100万画素・3倍デジタルズームのCCDカメラを搭載し、回転する背面液晶を見ながら撮影が行える。ヒンジ部、カメラの反対側にあるのは撮影用のボタン。上下に押すことでズームできるという。裏面には、SDカードスロットも備える。アンケートには「ほかのメモリカードのほうがいいですか?」といった項目も……。


 本体を開けると、このようになる。テレビ電話など自分撮りのために、スピーカーの横にもCCDカメラが搭載されている。写真のように背面液晶を広げることで、ツインディスプレイとしても利用可能だ。この液晶は、背面部分が6万5536色のTFT、メインがQVGAサイズの26万色TFTだという。


 ちょっと面白いのが、この液晶はそれぞれタッチパネル機能を搭載しているというところ。例えば、撮影した画像を加工する場面を想像してみよう。サブ液晶にはペン、消しゴム、文字入力……といったメニューが並ぶ。指でペンツールに触れると、今度はメインディスプレイに直接絵が描ける……。夢のような話だが、「三洋得意の有機ELではなくTFTを使ったのは、タッチパネルを実現するため」と説明されると、にわかに現実味を帯びてくる。

 なお100万画素のCCDカメラも、三洋は携帯向けとして当初から計画していた(2001年3月の記事参照)。このモックを見た限りでも大きなレンズを使っており、画質も期待できそう。ここまでやるなら光学ズームも……というのは欲張りすぎか。

どこかで見たPDA? いや携帯です──「インテリジェントタイプ」


 液晶を2つ搭載し、カメラまで付けた新しいPDA──かと思ったら、これも携帯電話。「インテリジェントタイプ」と名付けられたこちらの端末は、サブディスプレイとメインディスプレイを同じ大きさにしたツインディスプレイ型だ。もう、どっちがサブなのか分からない。

 写真を見てお分かりのように、上部のディスプレイは回転する。写真を撮るときは、相手も自分もどんな写り具合か確認できるという仕組み。

 このディスプレイには2.2インチの有機ELを使うという。しかも上部ディスプレイはタッチパネルだ。「画像付きのメールを受信したとき、メールの本文と画像を同時に見られる」と説明員。GPS機能を使って、上部に上から見下ろした地図、下部に3D地図を表示するというイメージデモも流れていた。


 さて、キーボードは? と思ったら、「スライドボタンでダイヤルボタンが現れる」とのこと。さらに開いた状態でも折りたたんでも通話ができるよう、スピーカーを2つ装備。着メロ用のスピーカーも左右にステレオで搭載するという凝りようだ。「ビジュアルタイプもそうだが、回転については強度的な不安もある。ユーザーの声を聞きたい」と三洋は話していた。

あなたは折りたたみ派? それともストレート派?──「スタイリッシュタイプ」

 上記の2つが高機能を追求したタイプなら、こちらはコスト重視とでも言うべきか。「スタイリッシュタイプ」と名付けられた2つの端末は、それぞれ超薄型の折りたたみとストレートだ。

 ハイエンドな機能満載の端末と、シンプルでスタイリッシュな端末と、どちらをユーザーが求めているのかを調査する意味合いもありそうだ。


 こちらの折りたたみ型は、1インチ程度の背面カラー液晶にフラッシュ付きのカメラを搭載したタイプ。見たところ、薄さは20ミリ以下といったところ。「これ以上薄型にするには有機ELが必要……」と言いながら、TFT液晶を選択するあたり、コスト感覚が妙にリアルだ。

 こちらもステレオスピーカーを搭載し、本体部の左右下が7色に光るという。カメラは普段は隠れており、ボタンを押すとスライドして現れる。


 「スタイリッシュタイプ」のストレートバージョンがこちら。背面液晶の代わりに大きな鏡を搭載。カメラは同じくダイヤルボタン部がスライドして現れる仕組みだ。右の写真は、「鏡の代わりにディスプレイを回転させたらどうでしょう?」というもの。「折れそうで怖い」「便利そう」といった意見を聞きたいと言う。

 早くからツイン液晶にこだわってきた三洋だが、ツインCCDに続き(2001年9月の記事参照)、最近のブームはステレオスピーカーと“回転”のようだ。

あなたなら、どれに1票?

 “遠”未来的なコンセプトモックが多い中、製品化を念頭に真剣にデザインした──と感じられる三洋の3Gモック。あなたなら、どの端末が欲しいですか?

 アンケートの末尾には、「1年以内にこの端末を購入するとしたら、いくらなら買いますか?」という項目も。期待はふくらむ。



関連記事
▼ 携帯電話に内蔵されるカメラも本格派に──CCD型登場
シャープの「J-SH04」に続き、カメラを内蔵した携帯電話「J-SA03 」も発表された。その流れは今年さらに加速しそうだ。三洋電機の開発したCCDモジュールは、CMOS型に対して大幅な感度と画質の向上をもたらす。

▼ 三洋のスライド型有機EL携帯、au向けに完成度増す
三洋はKDDI向けにソフトウェアを作り込んだ有機ELディスプレイを展示した。すぐにでも市場投入できる状況だが、トータルな性能を検討中だという

▼ 特集:CEATEC JAPAN 2002
有機EL、新世代ビデオレコーダ、光ピックアップモジュール、VoIP――。情報と通信を融合した総合展示会「CEATEC JAPAN 2002」が開幕。3回目となる今回は“ブロードバンドの先に次が見える。”をテーマに、最先端の技術や製品、サービスが多数展示されている

[斎藤健二, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!