Mobile:NEWS 2002年10月4日 06:44 PM 更新

Mobile&Movie 第32回
ソードフィッシュ「電話を切れ、お遊びは終わりだ」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は、謎の男、ガブリエルの狂気を描くアクション映画「ソードフィッシュ」。携帯電話の会話からもガブリエルの怖さがかいま見える!

作品名ソードフィッシュ(SWORDFISH)
監督ドミニク・セナ
制作年・製作国2001年・アメリカ


 1人の男がハリウッド映画について語り始めるところから、この映画は始まります。

「ハリウッドは最低な映画ばかり作っている」

 映画業界に対する挑戦のようなセリフのあと、エスプレッソを飲み干し、男は席を立ちます。コーヒーショップを出ると、警察官が包囲しますが手は出せないまま。男は銀行へと入っていきます。中には人質を縛り上げて立てこもる武装した男たち。男−ガブリエルは刑事にシルバーの携帯で電話をします。

「黙って聞け。22人の人質全員に爆弾を巻き付けた」

 しびれを切らした警察の副長官が、狙撃するよう命令します。

「待て、奴から電話が」

 人質の安全のため、ガブリエルの要求を聞こうとする刑事に副長官は

「電話を切れ、お遊びは終わりだ」

 とスナイパーに引き金を引かせました。携帯電話のわずかなやり取りの中に、冷徹さ、冷静さ、威圧的な態度が映し出され、物語は加速します。

 倒れる男、逃げる人質の少女、連行するレスキュー隊員、それらの映像に息を呑んでいるうちに、そのまま爆風とともに大迫力のVFXシーンが展開され、ただただ圧倒されます。ここまでが、映画が始まってからわずか10分たらず。いきなりクライマックスを味わってしまっても、伏線だらけで最後まで目が離せない作品なのです。

 スタンリーは、凄腕のハッカーとして雑誌の表紙にもなった男。しかし、数年前にFBIのシステムに侵入して逮捕され、出所後は貧乏な暮らしをしていました。その腕を見込んだガブリエルは、美女ジンジャーを使ってスタンリーを呼び寄せます。すぐさま、DELLのノートPCを差し出し

「国防省のデータベースだ。最高のハッカーは1時間で侵入できると聞いた。俺は60秒で破る男を探している」

 とスタンリーの頭に銃を突きつけ、カウントダウンを始めます。

 否応なしにキーを叩き、タイムアップ寸前でこのテストをクリアしたスタンリーは、ガブリエルの計画に加わることになりました。それが“ソードフィッシュ作戦”で、政府の闇資金として銀行にプールされている95億ドルを、システムに侵入し送金させるというもの。スタンリーの手腕なしには達成できない計画なのでした。

 ガブリエルの正体は掴めないものの、スタンリーは用意された数台のモニターとパソコンを前に、かつてのカリスマハッカーの血が騒ぎ出します。離婚した元妻から娘のホリーを取り戻すために引き受けた仕事のはずが、複雑な暗号を解きプログラムを完成した時には快感さえ覚えます。

 しかし、それも一瞬のこと。ガブリエルはさらに大規模な計画を立てていて、スタンリーをも欺きます。それが冒頭の銀行強盗のシーンにつながっていくのです。ガブリエルの策略はすべて成功するのか、そしてガブリエルが語っていたようなハリウッド映画らしい結末を迎えられるのでしょうか?

 スタンリーは、システム侵入用のワームのプログラムをあっという間に完成させてしまいました。ウイルスに感染させ、ネットワークを麻痺させてしまうものが、映画の中とはいえこんなに簡単にできるなんて……新種のウイルスがどんどん生まれてくるわけです。ウイルス被害にあう前にくれぐれも気をつけましょう!

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[本田亜友子, ITmedia]

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