Mobile:NEWS 2002年10月8日 10:40 PM 更新

FOMAのライブストリーミング配信をもっと身近に

ドコモがFOMAやPDA向けに提供する映像配信サービス「Vライブ」は、リアルタイムでストリーミング配信できることが特徴。NTT-MEは、このバックボーンを使って個人が安価にライブ映像を配信するためのサービスを提供している

 ドコモが提供する映像配信サービス「Vライブ」(用語参照)は、3Gテレビ電話の標準規格「3G-324M」(用語参照)に準拠したフォーマットを採用、FOMAのビジュアル端末やPHS接続したPDA向けに、ライブストリーミング配信を行えるのが特徴。FOMAのビジュアル端末では、配信元の電話番号にダイヤルするだけで映像を閲覧できるなど、アクセス方法も簡単だ。

 ただ残念ながらVライブは、基本的にはコンテンツプロバイダによる配信が前提になっている。カメラとストリーミングサーバの間を専用線でつなぐため、専用線接続工事料、ライブ配信工事料、ホスティング接続工事料だけでも初期導入にそれぞれ5万円かかるなど、導入にはそれなりのコストがかかるからだ。

 このVライブの配信システムをバックボーンに、個人レベルでFOMA端末向けライブストリーミングを行うための仕組みが、NTT-MEの「何所でもライブASPサービス」(7月17日の記事参照)だ。カメラとサーバ間の接続を、ADSLなどのインターネット網にすることで初期導入費用を軽減。最も安いパッケージで、初期費用9万4300円、1カ月のランニングコスト1万3950円でライブ配信が行える。ライブカメラやISPサービス、ADSLサービスなどストリーミング配信に必要な機材やインフラがパッケージで提供されるため、ユーザーは申し込みをするだけで、FOMA向けにライブ配信を行えるようになる。申し込んでから配信開始までは、「28日程度」(NTT-ME グローバルソリューション本部のMGM部門長、土元洋一郎氏)。

 また同社では、FOMA向け映像フォーマットへのエンコードソフトが内蔵されたライブ撮影用のカメラを3種類用意している。編集なしのライブ映像を流すだけならPCを介す必要がなく、設置場所の自由度が増すという。


サービス概念図。カメラとサーバの間は、WAKWAKインターネット、フレッツADSLといったNTT-MEのインターネット接続インフラを使うため、専用線より割安になる

 「何所でもライブASPサービス」は、Vライブのバックボーンを使うだけで、ドコモのVライブコンテンツの一部として配信できるわけではない。会員制サービスや個人、社内での利用を前提にしたこのサービスでは、映像を配信するユーザーがコンテンツに課金する場合には自分で課金回収の仕組みを用意する必要があり、ライブ配信の告知も自分で行うことになる。コンテンツ内容は、ドコモの審査の対象外だ。

 同社が想定している利用シーンは、社長講話のストリーミング放送、工事現場の監視、遠隔教育、災害監視、結婚式などのイベント中継、子供やペット、老人の状態確認など。


ストリーミングカメラは台湾Leadtek Research製「LT-MN 010」と、アルファ・オメガソフト製「AO-MA 010」「AO-MC 010」。配信サービスは、規模や用途に合わせて3種。カメラとサーバを接続する「ゆうあいカメラ接続タイプ」と、編集したムービー配信も可能な「PC接続タイプ オール・イン・ワン型」、視聴するFOMAが100台以上でユーザー所有のPCによるエンコードを希望するユーザー向け「PC接続タイプ プロユース型」がある

 NTT-MEは、「何所でもライブASPサービス」を7月29日からサービスを開始した。自宅で老人を介護しているという個人を初め、イベントで使いたいという複数のFM局、児童の様子を両親に公開したいという保育園などから問い合わせがあったという。

 同社では本年度の目標として「3000ユーザー、約2億円の売り上げ」を掲げている。



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▼ NTT-ME

[後藤祥子, ITmedia]

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