Mobile:NEWS 2002年10月8日 05:31 PM 更新

買い控え生じたPDA市場。携帯が競合の脅威に

2001年度のPDA市場は、数量で横ばい、金額では大幅な減少という結果となった。Palm OS陣営は大きく数量シェアを伸ばしたが、国内撤退企業もあり来年度は大幅なシェアの入れ替えが予想される

 矢野経済研究所は10月8日、2001年度の国内PDA市場に関する調査結果を公開した。これまで毎年20%以上の成長が見込まれていたPDA市場だが、2001年度は2.3%増に留まった。矢野経済研究所は「市場は一気に踊り場を迎えた」としている。金額ベースでは前年比64%と大幅な減少となった。


PDAの市場規模。2002年度は台数は増加しないが金額ベースでは多少伸びると予測されている。2002年度以降は、数量ベースで10%以上の成長が見込まれるとしている

 矢野経済研究所は「個人ユースにおいては相次ぐ新製品発表により買い控え、買い迷いが生じた。法人ユーザーにおいては、経済不況による投資意欲の減退と、2001年度はPDAの検証期間と位置づけられたため、導入が遅れた」と分析している。

 OS数量ベースでは、Palm OSが47%とシェアを拡大し、ザウルス(14%)およびWindows CE(39%)はシェアを落とした。「Palm OSは事実上、国内から撤退企業が出たため、最後の投げ売りが行われた」(矢野経済研究所)ためだとしている。金額ベースでは単価の高いWindows CEがシェアを伸ばしている。

 メーカーシェアでは、ソニーのCLIEシリーズが急速にシェアを伸ばした。


今後のPDA市場に影響を与える要因

 矢野経済研究所の分析によると、今後PDA市場に大きく影響を与える要因としては、「無線IP電話」「ホットスポット」「スマートフォン」などが挙げられる。

 特に無線IP電話は「PDA需要拡大のキー」とされており、スピーカーと通話口を装備し無線LANを通じて受話通話が可能なPDAは「キラーコンテンツ」となる可能性が大きいと指摘している。

 逆に、携帯電話もPDA化する傾向にあり「スマートフォン」となった携帯電話は「PC連携しやすくなると最大の脅威」だとしている。ただし一方でPDAが無線機能を備えて携帯電話に近くなっていく可能性もあり「現時点ではどちらが優勢とは判断しがたい」(矢野経済研究所)。



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関連リンク
▼ 矢野経済研究所

[斎藤健二, ITmedia]

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