Mobile：銀塩写真をアップロードしてケータイで閲覧――コダックなど3社

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2002年10月23日　09:40 PM 更新

銀塩写真をアップロードしてケータイで閲覧――コダックなど3社

コダック、ファミリーマート、サイバードの3社が、銀塩写真を簡単にアップロードしてデジタルアルバム化し、携帯電話でアクセスできる新サービスを発表した

　コダック、ファミリーマート、サイバードは10月23日、新イメージングサービス「携帯待ち受けアルバムサービス」を発表した。銀塩フィルムの同時プリント時に写真をデジタルデータ化してサーバにアップロードし、携帯電話での閲覧や待ち受け画面へのダウンロードができる。全国5928店（2002年9月現在）のファミリーマート全店で、10月28日から同サービスの取り扱いを開始する。

　デジタルカメラの画像をサーバにアップロードしてDPE店やコンビニエンスストアで受け取ったり、携帯電話で閲覧できるデジタルイメージングサービスは、すでに各社が取り組んでいる。今回の新サービスは、デジカメではなく銀塩フィルムをターゲットにしている点が特徴。その流れはこうだ。

　ユーザーは撮影した銀塩フィルムやレンズ付きフィルム（使い切りカメラ）をファミリーマートへ持参し、同時プリント申し込み時に新サービスを合わせて注文する。このフィルムはコダックのDPE便で店舗からコダック系列の現像ラボに集められ、現像・プリントされる。この時、同時にフィルム画像はスキャンしてデジタル化され、サイバードの画像コンテンツサイト「プリネット」のサーバへアップロードされる。

新サービスの流れ

　出来上がった同時プリントには、プリネットサーバへアクセスするためのIDを記載した「アクセスID通知シート」が同梱される。ユーザーは通知シートに記載された各通信キャリアごとのURL取得システム（NTTドコモなら“すぐメル”）のアドレスへメールを送信すると、プリネットサーバからアクセスID入力画面に行けるURLが入った通知メールが返信される。そのURL先でアクセスIDを入力することで、アルバム画像が閲覧できるという仕組みだ。

　「例えば、友人の結婚式の写真などを遠方の友人や親戚と共有するときに便利。今回の新サービスを使ってサーバにアップロードすれば、誰でも持っているケータイを通じて写真データを閲覧可能で、将来的にはプリネットからの焼き増しも行える」（サイバード）。

プリネットサーバへアクセスするためのIDを記載した「アクセスID通知シート」

　プリネットは「iモード」「J-スカイ」「EZweb」に対応しており、携帯電話のキャリアを問わずにサービスを利用できる。画像はアップロードから2週間は閲覧可能なほか、アップした画像を携帯電話の待ち受け画面として使うことができる。プリネット会員（月額300円）になることで、画像閲覧期間の延長や閲覧画像のメール添付といったサービスが受けられる。閲覧した画像の焼き増しといったプリネットサービスを介してのプリントサービスは、来年初頭頃から開始する予定。

　今回の新サービスは銀塩フィルムの同時プリント受け付け時に限定したもので、現像したネガフィルムやデジタルカメラで撮影した画像は、新サービスの対象外。しかし、デジカメ画像との連携も「今年末頃のサービスを予定している」とサイバードでは話している。

　新サービスの料金は250円。ファミリーマートの同時プリント料金が通常750円なので、銀塩フィルム1本当たり約1000円で同時プリントと画像アップロードサービスが楽しめることになる。

　ファミリーマート取締役でファミマ・ドット・コム社長の井上史郎氏は新サービスについて「カメラは銀塩からデジタルへと移行しつつあるが、例えば私自身はデジタルカメラをどんどん使っているが、妻は銀塩カメラを使っている。これらをどう融合していくのかという問題は個人的にも興味がある。今回の新サービスは、銀塩とデジタルの世界の融合を実現した。ファミリーマートでのユーザーサービスとしても、喜んでもらえるものと期待している」と語る。

ケータイは将来、フォトビューワーに

　今回の新サービスが登場した背景には、携帯電話のカラー/高画質化やカメラ付きケータイの急速な普及がある。「カメラ付きケータイは、先行するJ-フォン1社だけで670万台を突破。解像度も30万画素となり、来年には100万画素を超える高画素タイプが市場に登場する。有機ELディスプレイなど次世代ディスプレイの採用で、美しいフルカラーの画像を携帯電話で楽しむことができる時代になった」（コダック専務の大葉二良氏）。

　また、サイバード専務の岩井陽介氏は「携帯電話の世界は、この3年ほどで大きな進化を遂げ、写真データが気軽に見られるインフラが整った。今後は、携帯電話がフォトビューワーの役割を担い、写真の世界のハブ機能となる。その入り口として、ファミリーマートというリアルな店舗と提携してやっていく今回の新サービスのスタイルは、今後のデジタルイメージングサービスの主流となる」と語る。

　今回の新サービスは、ファミリーマート店頭での申し込みまでは「同時プリントのついでに」といった簡便さがあるが、アクセスID入力画面までの通知メールのやり取りなどが少々面倒だ。これは、新サービスにプリネットの携帯電話画像配信システムを流用しているため。「どんな通信キャリアでも利用できるようにするため、このような通知メールのやり取りが必要になる。そのかわり、プリネット側でキャリア・端末別の画像変換などを行うので、通信キャリアを問わずに共通の画像コンテンツが利用できる」（サイバード）。