Mobile:NEWS 2002年10月24日 10:08 PM 更新

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UWB【ゆーだぶりゅーびー】

無線通信……といえば、無線LANと呼ばれるWi-Fi(IEEE802.11b、11a)やBluetoothなどが思い浮かぶ。しかし次世代の無線通信には、100Mbpsを実現するものも存在する。その1つが「UWB」だ

 UWB(Ultra Wideband:超広帯域無線)は、パルス状の電波を発射して数GHz幅以上(中心周波数の25%以上、または1.5GHz以上)の、非常に広い周波数帯域にわたって電力を拡散させる通信システム。これまでのIEEE802.11bやBluetoothといった無線技術に比べて、低電力、低価格で、10メートル程度離れた相手との100Mbps規模の高速データ通信が可能になる。またレーダー用として、高精度な測位が可能である。

 UWBはそもそも、米国がレーダーとして用いるための軍事技術として1950年代に研究開発が始まった。だが、通常1ns以下という超短パルスを制御する必要があり、これまでは技術的に実現が難しかった。

 UWBが使用する周波数帯は3.1GHz〜10.6GHzとなっており、2.4GHz帯の無線LANとは干渉しないが、IEEE802.11aのような5GHz帯を使うものとの干渉が心配されている。日本国内では現在、5GHz帯の無線LANは屋外での利用を禁じているが、この規制がまもなく緩和される方向である。また、現時点でも5.3GHzを気象用レーダーに使っていることから干渉は必至とされている。

 UWBの生まれ故郷である米国では、干渉を避けるために出力を制限するという条件付で、2002年2月14日にFCC(米国連邦通信委員会)から認可された(2月15日の記事参照)。免許は不要とされている。日本では総務省がUWB導入の検討に入っている。2002年09月30日に情報通信審議会に諮問され、2003年9月頃には一部答申が出される予定だ。


UWB無線システムの利用イメージ (図版:http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/img/020930_8_03.gifより)



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関連リンク
▼ Ultra Wideband Working Group (UWBWG)
▼ Ultrawidebandplanet.com
▼ FCC
▼ 総務省 報道資料「UWB無線システムの導入に向けて」

[江戸川, ITmedia]

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