Mobile:NEWS 2002年10月29日 00:39 AM 更新

バス停案内から運賃決済までをBluetooth携帯電話で〜エリクソンら3社がデモ

Bluetooth携帯電話が乗り降りするバス停を知らせ、運賃決済もする──こんなデモが東京モーターショーで実施されている。プッシュ型サービスを使った試みだ

 駅のバス乗り場に行くと、目的の駅に止まるバスの種類が通知され、バスの中で寝ていても降りる駅が近づいたら知らせてくれる。その上、運賃決済も可能──こんなデモンストレーションが、幕張メッセで開催中の東京モーターショーで実施されている(10月17日の記事参照)。


日野自動車ブースで行われたデモ

 これは、日本エリクソン、日野自動車、KDDIの3社が共同で開発した、路線バス乗降システム「BT Conductor」を、実際にバスの中で体験しようというデモ。日本エリクソンがカフェなどで行ってきた実証実験(2001年11月1日の記事参照)では実現していなかったプッシュ型サービスが使われている。

 デモに使われた携帯電話は、Sony Ericsson Mobile Communications製のBluetooth携帯電話「T68i」。この端末が、LAN Access Profile(用語参照)をサポートしているため、プッシュ型サービスが実現できたと日本エリクソン、事業開発本部の鈴木寛氏は話す。ちなみに日本でリリースされているBluetooth携帯電話は、LAN Access Profileをサポートしていないため、今回のシステムでは利用できない。


使われたのはSony Ericsson製のBluetooth携帯電話「T68i」


降りるバス停が近づくと、端末が振動してWebブラウザにバス停の名前が表示される

 バスの天井には6基のBluetoothアクセスポイントが設置され、そのうちの1基で常に検索をかけてBluetooth端末を探す。端末が見つかると、(このデモでは)運転席の下にあるサーバに情報が伝わり、サーバから接続用のアクセスポイントを通じて、端末のWebブラウザを起動させる仕組みだ。「(検索専用のアクセスポイントを置くことで)通常では10秒ぐらいかかってしまう端末のサーチ時間を短くできる」(鈴木氏)。


バスの天井に設置されたアクセスポイント。電灯の反対側にもう3基ある

 降りるバス停が近づいたときの表示や決済画面は、端末内のWebブラウザで閲覧する。今回のデモでは、5基のアクセスポイントで最大20台の端末の接続を想定しているという。

 来場者の反応も上々だと、日野自動車の総合企画部、中村正氏は話す。「こんなことができるのか」と驚く来場者も多いという。

 低消費電力であることや、混んだバスの中でもアクセスポイントとの接続を妨げないなど、Bluetoothを使ったメリットが活かされ、用途の提案として興味深いデモンストレーションだ。


運転手はJornadaで乗降客の動向を把握


仮想環境でのデモのため、風景はバスに備え付けられたテレビに映された。ムービーを管理していたのはiPAQ Pocket PC



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関連リンク
▼ 東京モーターショー
▼ 日野自動車
▼ KDDI
▼ 日本エリクソン

[後藤祥子, ITmedia]

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