Mobile:NEWS 2002年11月18日 01:10 PM 更新

KDDI、ムービー対応カメラ付き端末の新機種「A5302CA」「A5303H」

「ムービーメールは3Gの基本サービス」と言い切るKDDI。今回対応端末を2機種投入するのに加え、動画非対応端末にも“パラパラ動画”を送信できるサービスを提供。動画の普及を積極的に進める

 KDDIは11月18日、動画対応のカメラ付き端末の新機種「A5302CA」を12月上旬、「A5303H」を12月中旬から発売すると発表した。両機種とも撮影した動画をメールに添付して送信できる。


 KDDIの「ムービーメール」対応機は、発売中の東芝製「A5301T」と合わせ3機種が登場することになる(10月4日の記事参照)。2003年3月までに、CDMA2000 1x対応端末を700万契約まで増やす予定のKDDIは、ムービー対応端末を増やすことで契約数に弾みを付けたい考えだ。

 「(2003年3月時点でのA5000番の割合は)出荷台数から逆算すると、1300万人の1割にはなかなかいかないかと思う。1割が1つの目標」とKDDIのau事業本部長・起橋俊男氏は説明する。

 しかし、「動画対応はA5000番台に限らない」という方向性も見えてきた。「ムービーメールは3Gのメインサービスと考えているので、なるべく多くの端末で対応させていきたいと考えている。3Gのインフラ活用を考えていくとムービーにたどり着く」とKDDIのau事業本部プロダクト統括部長の牧俊夫氏。

動画を非対応機種にも送信

 ムービーが3Gらしさを打ち出せるキラーコンテンツ、という考えから、撮影・送信はできなくても閲覧だけは幅広い端末で可能にする。今回、画像転送サービス「フォトメール便」を拡張し、動画をサーバでアニメーションGIFなどに変換して送信できるサービスを無料で提供することも発表された。


変換して送信できる端末は、基本的にはカラー画面のもの。auではプランa、bの対応機、およびEZweb@mail、EZwebmulti対応機が対象。ドコモ端末では、「502iシリーズ」「210iシリーズ」以降。J-フォンでは「J-スカイ」対応機が対象となる。ただし一部の端末では、パラパラ動画だけでなく、静止画が表示される。それぞれ音声が再生されないのには注意が必要

 「送り合うにはauの対応端末のラインアップ拡充が必要。しかしドコモやJ-フォンに送りたいというニーズもある。これをある程度みたそうとするのが、このフォトメール便の拡張」(牧氏)。

 このサービスを使うことで、動画に対応していない端末でも「フレーム数の落ちたパラパラ動画」(牧氏)という形で受け取った動画を閲覧できることになる。ただし、「Nancyコーデックへの変換は非現実的だと思っている」(牧氏)とJ-フォンのムービー写メールとの相互変換は行わないもようだ。

 ちなみに、「A5303H」と「A5302CA」では対応するムービーフォーマットが異なるのには注意が必要だ。現在、画面サイズやビットレートの違いによりezmovieには3つのフォーマットがあるが(ezmovei技術情報参照)、A5302CAが対応するのは最も小さい「Sサイズ」のみ。また最大のQCIFサイズに対応するのは東芝の「A5301T」のみとなる。

フォーマットサイズA5301TA5303HA5302CA
ezmovie LサイズQCIF(176×144)××
ezmovie MサイズSubQCIF(128×96)×
ezmovie Sサイズ96×80
メールに添付するムービーメールは、Sサイズとなる

 ezmovieコンテンツを閲覧する際には、それぞれ対応するサイズをダウンロードする形になるという。「今後、ハードウェアのスペックが上がっていったら、Mサイズを標準にしていきたい」とKDDIは説明していた。

「A5303H」と「A5302CA」、価格は2万円強

 なお、新端末「A5303H」と「A5302CA」の価格は店頭で2万円強だとコメント。「これだけの機能を搭載しているので、高く売りたいとは思う。しかし1x端末では他社の2Gと対抗できる価格で出していきたい」(牧氏)。  J-フォンなどでは収益確保のためインセンティブ(販売補助金)を切りつめてきているが、「高級品を買ってもらうのでは、こういうビジネスは無理。リーゾナブルだと思ってもらえる価格がいい」と起橋氏。

 さらに、「売れないと分かると、1カ月、2カ月のうちに価格を下げてたたき売りしてしまう(キャリアもある)。こういうほうが問題だ。最初の値付けだけでは判断できない」と、端末販売の方向性を話した。


機能性の面では、「A5303H」が「ほんのちょっとだけ」ほかを上回っている



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関連リンク
▼ KDDIプレスリリース
▼ KDDI

[斎藤健二, ITmedia]

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