Mobile:NEWS 2002年11月18日 04:36 PM 更新

日立製「SH-Mobile」搭載のムービー端末「A5303H」

1年の沈黙を破って日立が開発した折りたたみ型端末は、アプリケーションプロセッサを搭載したツインCPU構成。動画圧縮やJavaの動作を高速にこなす。ヒンジ部に設けられた34万画素のカメラは180度回転し、閉じたままでも撮影が可能だ

 KDDIは11月18日、ムービーメール対応の新機種「A5303H」を12月中旬から発売すると発表した。日立製作所が約1年ぶりに投入するムービー対応の端末で、静止画・動画撮影のほか、GPS、Java機能などを備える。


A5303Hは3色をラインアップ。メインディスプレイの下には「POWERED BY SH-MOBILE」の文字が踊る

 A5303Hはアプリケーションプロセッサとして、日立製作所の「SH-Mobile」を搭載、マルチメディア系の処理を高速に行えるのが特徴(6月25日の記事参照)。KDDIによると、「Java(ezplus)、ムービーの圧縮/解凍、ブラウザ、着うた再生」をSH-Mobileが行っているという。

 撮影した動画はリアルタイムでエンコードされ、すぐに見ることができる。またezplusの起動は劇的に高速化され、動作速度も「通常モード」「高速モード」「最速モード」の3つから選べるようになった。


プリインストールのezplusアプリを試してみた。これまで動作の鈍い感のあったezplusだが、A5303Hは別格。起動も瞬時でレスポンスもいい。しかも試したのは「通常モード」だった

 カメラは34万画素のCMOSセンサを搭載。ヒンジ部に組み込まれ180度回転する。メインディスプレイを見たまま自分撮りが行えるほか、端末を閉じた状態でも撮影が可能だ。


側面には2つのスライドスイッチを備える。1つは日立製作所製端末伝統の「きくばりスイッチ」(2001年5月の記事参照)。もう1つはカメラの起動用のスイッチで、スライドさせると立ち上がる。静止画、動画の切り替えも可能だ


(左)この状態でカメラを前に向けて撮影中。背面の2つのボタンでは、ズームとシャッターが可能。(右)伸びているのがサブアンテナ。メインアンテナは内蔵している。ちなみに側面に見えるカバーは、メモリカードではななくシリアルポート

 メインディスプレイとサブディスプレイには、それぞれ26万色相当の「Super Fine Color TFT液晶」を採用した。着信時に動画を再生する「着信ムービー」に業界で初めて対応。サブディスプレイで動画を見ることもできる。

 着信メロディは40和音(FM音源+PCM音源)のほか、ボーカルの声も入ったMP3の楽曲をダウンロードして楽しめる「着うた」にも対応している。

 ボディは、日立初の折りたたみ型で「エアロフォルム」と名付けられた。「今にも走り出しそうなデザイン。アンテナを内蔵しているが、サブアンテナも目立たない形で搭載している」(KDDIのau事業本部プロダクト統括部長の牧俊夫氏)。

 主な仕様は以下の通り。

製品名A5303H
製造元日立製作所
連続通話時間約140分
連続待受時間約200時間
データフォルダ容量約5Mバイト
カメラCMOS34万画素、4倍ズーム
ディスプレイメイン:2型Super Fine Color TFT液晶。26万色相当 サブ:1型Super Fine Color TFT液晶。26万相当
着信メロディ40和音
サイズ50×100×27ミリ(幅×高さ×厚み)
重さ約112グラム
カラースパークレッド、シアーパープル、エアーシルバー




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[斎藤健二, ITmedia]

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